出版社内容情報
闇に関する蔵書を売ってもいいという手紙をくれたトッドモダンの屋敷の女主人のもとに向かう、魔使いとトム。だが、そこで彼らを待っていたのは……。好評シリーズ第十弾。
内容説明
ぼくはトム。七番目の息子の七番目の息子だ。戦争で焼かれたチペンデンの師匠の家の再建が、ようやく始まった。でも、焼失してしまった代々の魔使いの蔵書は、もうとりかえしがつかない。そんなとき、トッドモダンの屋敷の女主人から、闇に関する蔵書を売ってもいいという手紙が来た。ルーマニアからもどったかつての魔使いの弟子ジャッドの紹介もあり、師匠とぼくは蔵書を見にトッドモダンに向かったが…。魔王との最終対決を前に、強力な闇のしもべがトムを襲う。人気シリーズ第十弾。
著者等紹介
ディレイニー,ジョゼフ[ディレイニー,ジョゼフ] [Delaney,Joseph]
1945年イングランド北部ランカシャー生まれ。ランカシャー大学卒業。ブラックプール・シックスス・フォーム・カレッジでメディア及び映像関連について教えるかたわら、大人向けの小説を書いていたが、エージェントの勧めで初の児童書『魔使いの弟子』(創元ブックランド)を書いたところ成功
田中亜希子[タナカアキコ]
千葉県生まれ。銀行勤務ののち翻訳業に。絵本の読み聞かせの活動もおこなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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杏子
14
師匠の家が再建され、貴重な蔵書を焼かれた図書室も新しくなる、ということで。失われた蔵書を補うために、ルーマニアから戻ったかつての魔使いの弟子ジャッドの紹介を受けて、トムは師匠とともにトッドモダンの町へ向かうが‥‥新たな戦いがトムを襲う。このシリーズはいつものことながら、絶望的な戦いを迎えることが多くてハラハラするけど、今回は最後がけっこう簡単に終わった。肩透かしまではいかないながらもああそんなことにと。これから、彼の最大の武器になる?最終巻も12巻ともう後わずか。映画化のこともあるし、後少しは楽しめそう。2014/07/24
詩歌
12
ルーマニアの吸血鬼達の登場です。待ちに待っていましたが、伯爵ではありません。ストリゴイ、ストリゴイカ、モロイ、そして吸血鬼の神シスコイ。衰えた師匠、独り立ち寸前の青年トム、切ない立場のアリス。舞台も、私の読み終わった時もちょうど6月の終わり。魔王にとどめをさすことなく、憂いを抱えたまま次巻へ。ただ一人、グリマルキンは元気です。そしてクラッチ、お帰りなさい!2014/07/01
sumireno
7
おもしろかった! 今回も魔女グリマルキンがかっこいい。最初は敵だったのに、彼女のことがどんどん好きになる。佐竹美保さんの挿絵でも分かるように、アリスは冷たい美女感が増していき、師匠は老いていく。このシリーズも長く続いて、登場人物も色々と変わっていったなあと改めて感じた。2014/05/11
AR読書記録
6
やっぱりどうもしっくりこない、と思うのは、人が簡単に死に過ぎるのと、設定がそうであるという自然さがどうも感じられないということと、魔王との戦いが世界の問題か個人(主人公周辺)の問題か、その扱いがはっきりせんということからきている。問題の先送り、尻拭いの結果が、主人公、を通り越して一人の女の子の身に降りかかる、というのを、納得せいというのはわたしにゃ無理があるぞ。誰にもがっつり感情移入することのできぬまま、とりあえず結末を見届けに、もう少し頑張る。2015/11/11
愛華
6
師匠が本当に死んだと思ったので、無事でよかったです。魔王の倒し方については大抵自分を犠牲にするか、大切な人が犠牲になるか、あるいはどちらかが死ななければならい的な展開はよくあるので特に驚きませんでした。前もって提示されている場合、大抵は何らかの理由で回避されることが多いので、特に心配してないです。既に原書の方は完結巻が出ているようなので、予想が外れてる可能性もありますが。2014/05/27