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出版社内容情報
『世界は美しい。戦う価値がある』――人類の運命を懸けた闘いに臨む少女・赤朽葉カレン。これは僕が彼女に出会い、喪うまでの物語。
内容説明
オリガ戦没記念都市。災厄と祝祭を連想させる不思議な街。四季の美しい瓦礫だらけのこの場所で、“僕”は、彼女に出会った―。『世界は美しい。戦う価値がある』雪の降る夜、少女はおしえてくれた。少女の名は赤朽葉カレン。人工天使・制服少女委員会のA(エース)転生者であり『冬時間』から襲来する転生生物をココロを代償に迎撃する最終兵器。詩を書くのが救いの少女整備士の少年は、失われゆく意識のなか必死で彼女の記憶を書き留める。「痛みは私を満たしてくれますか?」「初恋が人間らしい感情だとききました」「私と付き合ってくれますか」講談社BOX新人賞で初の大賞を受賞した奇跡の才能、思春期のあなたの胸を撃ち抜く最高傑作。
著者等紹介
鏡征爾[カガミセイジ]
小説家。第5回講談社BOX新人賞(『メフィスト』姉妹誌『ファウスト』後継)で初の大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
35
冬時間から転生生物が襲来するオリガ戦没記念都市。過去に失敗し底辺を彷徨う四季オリガミが、心を代償にして迎撃する人工天使の赤朽葉カレンと運命的な出会う終末ファンタジー。心を取り戻したいカレンと付き合うことになったオリガミと、カレンと同じく人工天使としていずれ死ぬ定めにある幼馴染や義妹たちとの関係。彼女たちの想いと覚悟が垣間見えるからこそ、ネガティブなオリガミには共感するのが難しかったですが、絶望な状況でも希望を見出そうとした彼女たちの奮闘がもたらしたもうひとつの結末には、どこか救われた気持ちになりましたね。2020/11/30
のれん
18
ここまでド直球なエヴァフォロワー作品も逆に珍しい。 アカリやカレンといったメインヒロインのキャラ造形、ラスボスの目的は『エヴァ』、展開は『最終兵器彼女』、世界観は『ガンパレ』、ヒロインの能力設定は『まどマギ』を彷彿とさせた。 文体も好きと言うだけあり、西尾維新や舞城王太郎のような不安定な言い回し、曖昧で繰り返す情景描写が目立つ。キャラの武器がナイフ固定なのは『月姫』からだろうか。 とにかくあらゆるエヴァ以降作品の影響を、事細かに受けて分析して描いてそうな雰囲気がある。 作者のエリートとして(続く)2021/01/16
ひぬ
17
「冬時間」から襲来する転生生物と戦う人口天使の少女達とある少女整備士を描いた話。ちょっと(というかかなり)難しかったです。個人的には合わなかったのですが、セカイ系の小説をあまり読まないこともあって、新鮮ではありました。何やら硬派な文章で、難解な言い回しを使っていた分、よく読み返さないと理解できなかった部分もありました。たまに挟まれるラブコメ部分(というか胸のくだり)は唐突すぎて不要と感じてしまいました。他のレビューで某作品の香りがすると書かれていますが、納得。もしかすると再読したら私の感想も変わるかも。2021/04/09
かっぱ
16
特殊な力を身につけた人工天使と称される少女と整備士である少年が接触することで始まる物語。人工天使と整備士。本来は関わるはずない二人が互いのことを知り、歩み寄り、そんな彼女のことを見失ってしまうそんなお話。難解な設定で王道の物語を紡ぐ様は、けれども感情を訴えるような文章にただただ惹き込まれた。この作品に触れたとき懐かしさに圧し潰されそうだった。どこかで手触りを確かめて、自身の血肉にしてきた要素が組み合わさって構成された物語もここまでくれば立派なオリジナルだ2021/01/23
真白優樹
15
災厄と祝祭を連想させる不思議な街で、顔が無い少年と心を代償に戦う少女が出会い、始まる物語。―――交わす想いは遠く、慟哭は切なく。その先に何かを信じて。 何処か切なく、哲学的に。終末的な世界と戦いの中、幾多の想いが交わされる物語であり、考えるのではなく感じる事が正解の、何処かノスタルジックな物語である。果たしてこの物語はこれで正解なのか、幸せなのか。その答えはきっと各自の心の中にある筈。なのでどうか、この作品を読んで貴方はどんな思いを抱かれるのか。是非とも自分の芽で確かめてほしい。 うん、面白かった。2020/12/05
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