内容説明
紀元前一〇二三年、大国・殷を滅ぼした周は、青銅器に文字を鋳込む技術を殷から継承し、それを権威とした。続く春秋時代にようやく漢字が広範囲に根付き、戦国時代に官僚制と文書行政による領域国家が誕生した。『史記』に語られる歴史は、すべてが確かな「史実」なのか。後世の建て前や常識に縛られた史書や注釈書の中から、本当の事実を探り出す。
目次
はじめに 文化地域が歴史的にもっている性格
本書が扱う時代
周王朝の史実
「華夏」の源流と夏殷周三代
戦国諸国それぞれが語る夏殷周三代
夏王朝・殷王朝の史実
春秋時代の史実
戦国時代の史実
戦国時代の学術
戦国時代を変革した人々
新たに比較検討される春秋時代像、そして夏殷周三代像
著者等紹介
平〓〓郎[ヒラセタカオ]
1954年茨城県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。博士(文学)。鳥取大学助教授、九州大学助教授、東京大学東洋文化研究所教授などを経て、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
66
12巻シリーズの2巻目 漢字に先行する、別系統の文字、に思わず興奮(丁公陶片の刻文) 最後の比較検討はちょっと読みずらく。 マジカルステップうほの説明はP205 (これが太極拳の元とか書いてある本もある) 陰陽五行も戦国時代から2024/01/12
へくとぱすかる
59
何とか読み終わったが、分厚さだけではなく、関係する国・地域の数も多く、相互の関係をつかむのが大変難しかった印象。言いかえれば本書が対象とする時代の歴史が、そこまで詳細に議論できるだけ明らかになってきたということだろう。私たちが何となく抱いている、孔子や夏・殷などの国のイメージが、まるで違って見えるし、古代の漢字は使用範囲がさほど広くなく、秦の文字統一も実態はあっけない。しかしその方がたしかに現実的だ。古代に後世の形を投影してしまうと、イメージを誤ってしまうというのは教訓。竹簡などの出土資料にも期待したい。2020/10/17
さとうしん
17
著者の世界観を受け入れないと引用が難しいという点で汎用性に乏しい概説。本シリーズに求められているのは、どちらかと言うと本書に書かれていることを理解するうえでの前提となる知識ではないだろうか。巻末の文庫版のあとがきも、最新の研究成果一般の紹介というよりは、著者の近年の研究成果の紹介である。これも『繋年』や『楚居』がどういう文献なのかという説明がまず必要なのではないかと思うが…2020/10/14
Tomoichi
16
息子の始皇帝好きに影響され、中国史のお勉強。期待していた内容ではなかったけれど、出土資料によって過去の「史記」の呪縛から研究が解き放されてきていることは理解できた。こういう研究者の本を読んでまた宮城谷昌光の世界を楽しみたくなりました。2021/11/06
崩紫サロメ
14
(単行本版感想)本書が扱う殷周・春秋戦国時代について、多くの人は『史記』など漢代以降の歴史叙述を通して知っており、多くの概説書もそうである。それに対して本書は『竹書紀年』など戦国時代の年代記を紐解いている。しかし、そちらに「真実」が書かれているということではなく、『史記』とは異なる事情により様々なバイヤスがかけられ、レッテルが貼られていることを丁寧に明らかにしている。国別の孔子評価の比較、斉の田氏による姜氏時代の斉への貶め方など、なるほどー。2023/10/18
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