内容説明
両親を亡くした直実は、渋谷のタワーマンションの高層階で猫のハナと暮らすことに。そのエレベーター内で偶然出会ったのは人気俳優の時戸森則だった。彼にオムライスを作ったことを機に、部屋を行き来する関係になる二人。だが、最愛のハナに病魔が忍び寄っていた。運命に翻弄される直実の喪失と再生の物語。
著者等紹介
小竹正人[オダケマサト]
作詞家。新潟県出身。カリフォルニア州立大学卒業。作詞家としての作品提供は、小泉今日子、中山美穂、藤井フミヤ、中島美嘉、久保田利伸、EXILE、三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEなど、メジャーアーティストを中心に多数に及ぶ。また、作詞曲「花火」がレコチョク「2012年最も泣けた曲ランキング」で1位を獲得、「Unfair World」が第57回日本レコード大賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シナモン
162
映画化本。両親を亡くし、叔父の計らいで都心のタワーマンションに住むようになった直実。難しい病気に冒された愛猫の世話に明け暮れ、高層階故に外出が億劫になり、現実逃避気味な恋に溺れる生活はふわふわと無機質で「空に住む」そのものだと思った。時が経ち、辛い経験を周囲の支えで乗り越え、少しずつ社会との繋がりを持ち始め再生していく。どこに住んでても地に足がついた生活って大事だなとしみじみ。空にいるような部屋からの景色も楽しみに、映画観てこようと思います。2020/10/25
ゆう
32
両親が亡くなってタワーマンションに愛猫ハナとすみ始めた直実。そのエレベーターで知り合ったのは人気俳優の時戸。 深い関係になったとき、ハナに病魔が。もう、時戸のどこがいいのかわっかんないのよ、私には。ああいう男がよくなっちゃうもんなのかねぇ。ハナとの闘病日々はつらい。そんな中ぐちゃぐちゃになっていく直実を最後まで見捨てない叔父夫婦と親友の絆。アレのクズ具合との対比がいい。2020/10/15
優雨
18
「けれど、私は忘れない。1月3日にハナを火葬したときの寒そうで悲しげだったあの桜の木々を。長い冬を耐え忍んでいるからこそ、桜の花はこんなにも鮮やかに春を彩るのだ」人との出会いも、ペットとの出会いも一期一会。他に変わりはいない。ハナの最後のお誕生日に、桜色のケーキでお祝いする場面が優しくて泣きたくなる。親の遺産を継いで東京のタワーマンションで住み始めた直美。人気俳優との愛のない逢瀬と、愛猫の死。心の傷口に無理やりガムテープをはる気持ちは解る気がした。優しい叔父夫妻や、親友に支えられ、少しずつ再生していく。2021/02/03
Mayrin
12
にゃんこや動物が病気になる話は、普段は読みません。さらに自分とかけ離れた生活をしている主人公なので途中は後悔しましたが...。にゃんこに対する気持ちは痛いほどわかりました。読んで良かったと思います。2020/09/18
一五
11
両親を亡くしタワマン住まい、て おいおい。出来た叔父夫婦と友人 猫と人気俳優 おいおい2022/08/11