万葉ポピュリズムを斬る

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万葉ポピュリズムを斬る

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  • サイズ 46判/ページ数 218p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065209271
  • NDC分類 911.12
  • Cコード C0095

出版社内容情報

そこのけ、御用学者ども! 数ある便乗本よ、焼却炉の灰となれ。
「維新」「大戦」、そして「令和」――。
「『万葉集』には天皇から庶民の歌までが収められている」という虚構を、近代以降の国家権力は利用し続けてきた。

新しい年号は令和。出典は「国書」である万葉集――2019年に安倍首相が幅高々に発表した直後、東京大学教授・品田悦一氏の「戦い」ははじまった。「令和」の典拠になった「梅花歌」序には、さらに中国漢籍の「典拠」がある。そこには、1300年前に大伴旅人が込めた、「権力の横暴を許すな」という反体制のメッセージがある。安倍首相はそれを知らないのだ、ということを明らかにした。品田氏の反論は、Twitterで一気に拡散し、全国紙にも取り上げられた。

だれが首相になっても変わらない!
われわれは踊らされてはいけない、ぼーっと生きてではいけないのだ。
天皇や貴族から庶民の歌まで載っている『万葉集』にあやかって、人々が美しく心を寄せ合う世の中を作りましょうというのは、「美しい国」が立ちゆくために国民に犠牲を払ってもらおうという方向へ誘導しようというものではないのか。令和という年号からわれわれが読み取らねばならないのは、なんなのか。

(本書のおもな内容)
●「令和」から浮かび上がる大伴旅人のメッセージ
「令和」の典拠となった、大伴旅人の「梅花歌」序。京都を離れた太宰府で梅の花を愛でるという、歌の宴。「梅花歌」序は、中国漢籍を踏まえたもので、典拠に込められた「真意」までたどりついたとき、われわれは「令和」の本当の意味を知る。藤原氏の専横、長屋王の謀殺。中央政治の腐敗に対し、遠い太宰府から、大伴旅人は、どのようなメッセージを込めていたのか。まるで古代ミステリを読み解くようなスリリングな論理の知的興奮と同時に、現代人は旅人のメッセージを自分たちのものとして受け止めなければならないことを痛感する。
●「万葉ポピュリズム」を斬る
日本女子大で開かれた熱い講演を、大幅加筆修正して収録。『万葉集』を利用しようとする国家の作り上げた幻想を打ち砕き、さらには、「元号」「改元」という言葉の「怪しさ」を明らかにする。
一、「改元」というのは元号を改めることではないのだ、そもそも「元号」というのは変なことばなのだ。
二、『万葉集』には天皇や貴族の歌だけでなく、農民や防人の歌までが収録されていると言われることがあるが、それは大きな間違いである。
三、『万葉集』にあやかって、人々が美しく心を寄せ合う世の中を作りましょうというのは、「美しい国」が立ちゆくために国民に犠牲を払ってもらおうという方向へ誘導しようというものではないのか。

内容説明

日本が「新元号」の祝賀一色に染まった2019年。「令和」に込められた、万葉歌人・大伴旅人の反体制のメッセージを読み解き、当時の安倍政権の「美しい国」の虚構を見事に看破した品田悦一氏。そして視線は、「安倍後」へと移る。

目次

一身上の弁明―まえがきに代えて
第1章 「令和」から浮かび上がる大伴旅人のメッセージ(最初の寄稿)
第2章 『万葉集』はこれまでどう読まれてきたか、これからどう読まれていくだろうか
第3章 「令和」から浮かび上がる大伴旅人のメッセージ(よくわかる解説篇)
第4章 改元と万葉ポピュリズム
あとがきに代えて

著者等紹介

品田悦一[シナダヨシカズ]
1959年群馬県生まれ。東京大学人文科学研究科博士課程単位取得修了。聖心女子大学文学部教授などを経て、東京大学教授(大学院総合文化研究科)。著書に『斎藤茂吉 あかあかと一本の道とほりたり』(ミネルヴァ書房、2010年、斎藤茂吉短歌文学賞、日本歌人クラブ評論賞)、『斎藤茂吉 異形の短歌』(新潮社、2014年、やまなし文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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trazom

72
本書は次の文章で始まる:「今回の「令和」騒ぎは、目下の政権が「万葉集」を人気取りに使って国民を誑かそうとしているところに本質があると思います」。「あらゆる階層が同一の民族的文化基盤に根差した歌集」という虚像に塗れ、戦争に利用された万葉集。その歴史を振り返るとともに、「令和」の典拠とされた大伴旅人の歌は、春を寿ぐ前向きなものでなく、「長屋王事件を首謀した藤原氏の横暴を許さない」という旅人の強烈なメッセージだと解説する。「美しい国」と「万葉集」と九条改正を一直線に繋げる政権への、万葉学者の怒りの一冊である。2021/02/10

13
学者の怒りと矜持が見える本。令和の出典になる歌は長屋王事件を糾弾するものらしい(許せないが、年老いた私にはもはや梅を愛でることしかできない…と繋がる)。著者に言わせれば人気取りのために選んだ和歌に権力者への憎悪と敵愾心が込められているという皮肉。危篤の母の看病の合間に女郎買いに行ってたということを話の流れで暴露される齋藤茂吉が可哀想な本でもある。2021/08/29

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