内容説明
日堂テレビの中年アナウンサー・安道紳治郎は、突然、番組制作AIの開発局に異動になる。自分の喋りをAIのサンプルにされることに葛藤する安道だが、新しい感性に触れる中でテレビの本当の面白さに気づかされていく。やがて、バーチャル美術館というテレビ業界の命運を分ける舞台に臨むことになるが―!?
著者等紹介
樋口卓治[ヒグチタクジ]
1964年、北海道生まれ。放送作家として「笑っていいとも!」などを担当し、2012年、『ボクの妻と結婚してください。』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りさこ
17
とあるテレビ局の中年男性窓際アナウンサーの主人公が、ある日突然AI開発局に異動になり新しいテレビの時代の番組を作るために仲間とともに奮闘する物語。アナウンサーのお仕事小説って今まであんまり無かったから新鮮で純粋に楽しかった!幼い頃からテレビっ子だった私にとって、今後のテレビが実際こんな風になったら画期的すぎておもしろいだろうなっていう展開でワクワクした!2020/09/25
MILKy
14
【売】昨年発売と同時にその表紙にも魅せられ気になり、やっと手に取る。初読み作家さんで、かの、ボクの妻と結婚してくださいの作者。が、思っていた感じとは異なった。干された?アナウンサーの、ザ、ギョーカイの近未来、バーチャル番組に挑む一連が描かれる。効率最優先、になると面白みに掛けそうね、何でも、今後の世の中。無機質になっていきそう。あと、改めてアナウンサーって大変な職業だと思った。子どもの頃、声を使う仕事をしたいと思い、憧れはしたけど。ただ読めばいいだけでない、自分の言葉で、臨場感溢れるように伝える。難!2021/10/25
Kazuko Ohta
13
嫌味な中年アナウンサーが番組制作AI開発局なる部署へ左遷され、自分の喋りをコピーするAIに立場を乗っ取られる話……を想像していたのに、まるで違った。主人公のイメージは最初と最後では180度変わる。彼がアナウンサーになりたての頃の練習の話も面白いし、新しい試みが現実になればさぞ楽しかろうと思います。ただ、私の心に響くところまでは行かなくて、字大きめで200頁ちょいなのに読了までやたらと時間がかかってしまいました。こうなるのはたいてい文庫書き下ろし作品なのは気のせいか。たぶん飲酒しながら飲むのがあかんのだわ。2020/10/03
ともりぶ
6
アナウンサー志望の人にはささるかも。自分はこの情熱に共感できなかった。バーチャルも想像できなかったので感動にも共感できなかった。2021/03/21
ほにょこ
3
★★★☆☆ 日堂テレビ(略して日テレ?)のアナウンサーの話。AIに仕事を奪われるかと思いきやの展開はよかったけれどその後はいまいち盛り上がらず。「喋る」ことがテーマならミュージアムは方向性が違うし、喋り自体の魅力がいまいち伝わってこなかったです。2022/03/10