内容説明
田中角栄の助けを借りて反主流派との党内抗争を乗り切り、史上初の衆参同日選に打って出た大平正芳首相は、選挙戦さなかに急逝した。果たして後継は誰か―中曽根康弘、河本敏夫、宮沢喜一などが有力と見られたが、土壇場で浮上したのは、地味な裏方と見られていた鈴木善幸だった―。
目次
第1部 怨念政治の果て(自民分裂;史上初の衆参同日選へ;田中曽根連合;大平弔い合戦;自民圧勝;幕開かずして芝居終わる;バイプレイヤー鈴木善幸)
第2部 和の政治と行財政改革(亀裂;問われる宰相の器;中曽根、照準を合わせる;止まらぬ内紛;行革フィーバー;田中軍団、動く;最後の天下大乱)
著者等紹介
さいとうたかを[サイトウタカオ]
劇画家。1936年、和歌山県生まれ、大阪府育ち。17歳で描いた『空気男爵』でデビュー。上京し、「さいとう・プロダクション」設立。1968年『ゴルゴ13』連載開始。2003年に紫綬褒章、2010年に旭日小綬章受章。2019年東京都名誉都民に選出
戸川猪佐武[トガワイサム]
1923年、神奈川県生まれ。早稲田大学政治学科卒業。読売新聞社政治部記者を経て、政治評論家として活躍。『小説吉田学校』は戦後政治を生々しく活写し、ベストセラーとなった。1983年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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森林・米・畑
13
昭和54年大平内閣末期~鈴木善幸内閣まで。鈴木善幸総理大臣の人の良さそうなお顔だけは印象に強く残ってました。 当時の政治や海外情勢だけでなく、文化・スポーツ・芸能など流行したもの等も織りまぜられており記憶が掘り起こされました。 今思えば、大物といわれる政治家が沢山おり、貫禄が違うなと思いました。それと会食や会談の席で皆タバコ吸ってました。これこそ、ザ昭和ですね。2020/07/24
スターライト
4
大平急逝を受けて、自民党は衆参同日選挙で圧勝。大平の後継は鈴木善幸に。鈴木も漁民の生活を豊かに、との初心はあったが社会党から立候補し当選していたが与党の壁に跳ね返され挫折。支持者が自由党候補として立候補を届けてしまい当選すると、以降、自民党で政治活動をするという経歴を持つ。党内融和をかかげつつ、行革に力を入れる鈴木だった。以下、次巻へ。2021/12/13
ぶるーめん
2
大平総理が亡くなり、鈴木善幸が総理となつた丁度本巻の頃から記憶がある。何となく次の総理に比べると目立たないが安定政権の感じがしていたが、記憶違いだったようだ。ただ今安倍一強というが、このサル山のような不毛な派閥争いが本当によいのか。野党にとっては付け入る隙ありなのだろうけれど。2020/07/15