出版社内容情報
「シロクロはっきりつけてやる!」
傍若無人に世界を支配していたヒトという種が絶滅して200年。アフラシア共和国は動物たちのユートピアとなっていた。ジャイアントパンダの若雄(わかもの)ナンナンは、先輩探偵であり、ライオンの父とトラの母から生まれたライガーのタイゴに憧れ、探偵事務所に所属することに! 白黒ツートーンの動物誘拐事件、密室から消えた草食動物の干し草の謎、共和国大統領暗殺事件など、動物の国で起こる様々な事件に立ち向かう!
内容説明
ヒトと呼ばれた種が地球上から姿を消して、二百年が経った。世界は知能を持つ動物たちの王国となり、肉食・草食の別なく、平和に暮らしていた。だが、そんな楽園に不穏な影が忍び寄る!姿の見えない誘拐犯、密室から消えた非常食、そして大統領暗殺!?不可解な謎に白黒つけたがるへっぽこパンダのナンナンは、先輩探偵タイゴと、ヘンな動物たちが巻き起こす珍&難事件に挑む!
著者等紹介
鳥飼否宇[トリカイヒウ]
1960年福岡県生まれ。九州大学理学部卒業。編集者を経て第21回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を『中空』で受賞しデビュー。奇想に満ちあふれた作品を数多く発表。また、碇卯人名義で、テレビドラマ「相棒」シリーズのノベライズも執筆している。2016年『死と砂時計』で第16回本格ミステリ大賞(小説部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
75
著者の「昆虫探偵」では人間がゴキブリに変身して昆虫界の探偵助手になっていたけれど、今回は人が絶滅した後の動物たちの国でのお話し。主人公は天涯孤独のパンダのナンナンとライオンとトラから生まれたライガーのタイゴ。動物の特徴を活かした謎解きも面白いし、タイゴをアニキと慕うナンナンが可愛らしくて何ともほのぼのとしてしまいました。2021/08/28
雪紫
57
ヒトがウイルスで絶滅して200年、いつのまにかヒトレベルの知能になってました(スライム倒して300年もじろうとして失敗感)。背景は重いのになんかほのぼの。はじめちゃん的な決め台詞を出すには成長まだまだなパンダのナンナンが癒し。だけど、動物であることを使った様々なトリックや動機は全作、読みごたえ十分。だけどほのぼの。そしてしっかり本格(まあ、動物の知識なきゃ難しいやつだけどね)。個人的に好きなのは2話。・・・とりあえずウィルスで知能上昇してない動物の皆様?2021/04/28
うまる
34
動物×ミステリ。ヒトが絶滅して200年、様々な動物がヒトの様な生活で共存している世界の話。ただキャラが動物になっただけではなくて、ちゃんと動物の習性を活かした推理や展開になっていて良くできています。特に3話目の現場が犯獣(はんにん)の本能によってできたという件は驚きました。若雄(わかもの)、幼雌(しょうじょ)など、全編動物に置き換えた熟語で書くという細かい点も面白いです。 主人公パンダのナンナンは名探偵には程遠いけど、いつか「シロクロはっきりつけてやる!」と解決できる日が来るといいなぁ。とっても続編希望!2020/12/28
coco夏ko10角
33
爆発的に流行したウイルス性感染症でヒトが絶滅してから約二百年、肉食獣と草食獣が共存してる動物たちの共和国でのお話。動物たちの様子は可愛くていいんだけど、事件の推理をするには自分に動物に関する知識が足りなかった。ラストからすると続編あるかな。2020/12/14
yutan2278
27
姿の見えない誘拐犯、密室から消えた非常食、そして大統領暗殺。不可解な謎に挑むのは先輩探偵ダイゴと、新米探偵ナンナン。面白くてちゃんとミステリー。楽しんで読みました。続編あるといいな。2021/10/07