出版社内容情報
夫馬 賢治[フマ ケンジ]
著・文・その他
内容説明
もう「E(環境)S(社会)G企業統治」を知らずに仕事はできません!ワシントンポスト、CNN、エコノミストほか世界注目の第一人者による、不況期こそ重要なESG入門決定版。
目次
はじめに スターバックスの本当の姿を日本人は知らない
第1章 環境・社会を重視すると利益は増えるのか
第2章 オールド資本主義の時代はいつ終わったか
第3章 ESGとともに生まれたニュー資本主義
第4章 リーマン・ショックという分岐点
第5章 ニュー資本主義の確立
第6章 ニュー資本主義が産み出したパリ協定・SDGs
第7章 日本でのニュー資本主義への誘導
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tenouji
24
むむむ、個人的に、非常にショッキングな内容だった。環境指標を制約事項とすることで、イノベーションの機会を増やす方向で、企業を成長させていく、という至極真っ当な話し、なんて、会社内で聞いたことがないぞ!「従来からの品質、納期、価格に加え、環境、プライバシー、データセキュリティ、労働環境、人権対応に関する基準を要求されることも…」いやいや、無理です。これらは全て面倒な押し付けられ事項として、内容が理解されないまま、現場の末端に対応が丸投げされていますw。し、未だに品質第一主義でやってますっ(キリっw)。2022/02/27
羽
19
「ESG」とは「Environment、Social、Governance」の頭文字。そして、環境や社会に配慮することで投資パフォーマンスを向上させる投資戦略を「ESG投資」という。世界最大の年金基金であるGPIFも「ESG投資」を行っている。グローバル企業はESGを考慮し、株主もESG志向の企業に投資し、世界はニュー資本主義に移行しているということを初めて知った。これからも世界の動向に目を向け、この長期トレンドをキャッチアップしたいと思う。今後、気候変動の進展が、新たな金融危機の火種になるかもしれない。2021/06/12
ta_chanko
18
時代のトレンドはニュー資本主義。環境・社会への影響を考慮しながら、かつ利益の増大を目指していく。それを支えるのがESG投資。欧米企業の取り組みは意外と早く、20年前には既に始まっていた。日本ではようやく知られるようになってきたが、未だに利益の抑制を主張する脱資本主義的な考え方をする識者も多い。持続可能で豊かな社会をつくるには、悲観論だけでは乗りきれない。楽観論をもとにユニークなイノベーションをおこし、希望に満ちた未来をつくっていくことは、きっとできる。2021/09/27
かなすぎ@ベンチャー企業取締役CTO
12
なんでESGが騒がれてるのか知りたくて読んだ。「環境・社会を考慮すれば利益が増える」ということを多くの資本家がまず認識し、その考えに基づき投資を始めだしたということ。そして、「環境や社会課題が大きく変化する時代に、過去の投資リターンとリスクのデータのみに依存していいわけがない」というロジックで、今の状況になってるのが理解できた。ただ、本書を読む限り、日本では取締役会などがまともに機能してなさそうなので、普及するのに時間がかかりそう。2022/02/06
yuno
8
禁酒法時代のキリスト教系財団を源流とし、CSRを経てESGやSDGsに至る歴史の紹介や、欧州等との国際比較により、日本の環境への取組の遅れを指摘しており、金融の視点を含めて参考になる部分は多い。ただ、環境・社会への影響考慮への賛否とそれによる利益の増減を軸に4象限を作り、(反対、減少)をオールド資本主義、(賛成、増加)をニュー資本主義と呼び、後者への移行を提唱するのだが、個社の利益と社会の利益が一致する理屈は?ESGで本当に儲かるならESGとか言う必要なくない?という疑問を解消してくれる本ではなかった。2021/08/12