出版社内容情報
社会;エッセイ・随筆;教育;大学入試;大学入試改革;記述式;入試問題;赤本;大学入学共通テスト;共通テスト;わかりあえないことから;AI;教科書;新井紀子;PISA;非認知スキル;英語民間試験;;;
目次
序章 未来の漁師に必要な能力は何か?
第1章 未来の大学入試(一)
第2章 未来の大学入試(二)
第3章 大学入試改革が地域間格差を助長する
第4章 共通テストは何が問題だったのか?
第5章 子どもたちの文章読解能力は本当に「危機的」なのか?
第6章 非認知スキル
第7章 豊岡市の挑戦
終章 本当にわからない
付録 22世紀のための問題集
著者等紹介
平田オリザ[ヒラタオリザ]
1962年、東京都生まれ。国際基督教大学在学中に劇団「青年団」結成。戯曲と演出を担当。現在、東京藝術大学COI研究推進機構特任教授、大阪大学COデザインセンター特任教授。2002年度から採用された国語教科書に掲載されている平田のワークショップ方法論により、多くの子どもたちが、教室で演劇を創る体験をしている。戯曲の代表作に『東京ノート』(岸田國士戯曲賞受賞)、『その河をこえて、五月』(朝日舞台芸術賞グランプリ受賞)、『日本文学盛衰史』(鶴屋南北戯曲賞受賞)、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
54
大人が読むべき本。次の世代を育む仕組み・考え方。教育改革というお題目で、いろいろ騒がしいここ数年。それも、お粗末なことでドタンバタン。基本思想の方向性がいいとしても、うわべだけなのでこうなってしまう。それ以前の基本おすべき視点が述べられている。何をではなく誰と学ぶか、身体的文化資本、会話と対話、非認知スキル。ここを勘違いしていたり、能力が欠如している輩が、政治・経済・官僚の中心にいるから、この国が危うくなっているし、そのスピードが速くなっている。2021/06/19
ムーミン
39
本当の表現力とは、本当の思考力とは。自分の頭で考える機会をもらいました。2020/03/31
あみやけ
37
とっても考えさせられました。教育関係者ならなおさらおすすめです。時代の変化にまず学校がかわらないとですね。現状、小学校から少しずつ変わってきている気がするし、今言われているアクティブラーニングは方向性として間違っていないと思います。ただ、今の日本の学校の状況には困難極まりないですが。あと、やっぱり、社会がかわらないと。小学校で英語教育が始まったから英会話教室に入れる親が増えましたが、本質をまったくわかっていない。まぁ、僕はそもそも、早期英語教育なんていらないと思いますが。みんなで本気で考えたいですね。2024/10/29
ころこ
32
著者の考える試験は「地頭」を問うと自ら評しています。明示的でない審級で行うことで、かえってメンヘラを増やすだけではないかと懸念します。90年代から始まった脳化現象、その後の脳トレブーム、AIブームの大衆的表現に「地頭」はあります。脳を知りたい欲望は一時点の社会の傾向を示しているだけで、「地頭」という強度は心理学化のマッチョイズムなだけでしょう。入試が単なる学力だけでなく、「本質をみる」といって身体性までも事前の対策の立てられない、見えない権力関係で縛るとすれば、身体破壊衝動の若者の気持ちも想像できます。2020/03/18
壱萬参仟縁
31
お茶の水女子大学、第二次選考。文系図書館入試(47頁)。素晴らしいと思います。初日にレポート作成。二日目にグループ討論と個別面接。論理力、課題探求力、独創性が評価される。他、自治体職員採用試験で、奈義町討論劇(103頁)もこれからのひとづくりには欠かせない視点と思えました。この町は合計特殊出生率2.81と驚異的です(109頁)。これからの人をどうにか選んで育てる術を試行している本になると思います。マークシート方式は昭和です。マスプロ授業は化石になりつつあるのかもしれません。2021/03/19