出版社内容情報
永田 久[ナガタ ヒサシ]
著・文・その他
内容説明
月・星・太陽の動きから人は暦を編み出した。さらに暦の緻密な仕組みを巧みに敷衍し、生きる縁として八卦や九星術、ホロスコープを生み出した。古代ローマから現代のグレゴリオ暦まで古今東西の暦を読み解き、数学の論理で暦と占いのつながりを明らかにする。伝承、神話、宗教に迷信や権力欲も取り込む知恵の結晶を概説する、蘊蓄満載の科学書。
目次
時間を区切る
月と惑星をめぐって
聖数「七」の神話
一週間の曜日名
古いヨーロッパの暦
十二ヵ月名にあらわれる神々
「グレゴリオ暦」への道
自然暦―二十四節気
「陰陽五行説」の原理
干支と聖数のロジック
六十進法の世界
八卦の論理
九星術ロジック
ホロスコープの科学
著者等紹介
永田久[ナガタヒサシ]
1925‐1995。神奈川県生まれ。東京教育大学理学部数学科卒業。専門は数学基礎論。法政大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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N島
10
人類の歴史を綴る暦。暦に対する揺るぎなく…正確に…粛々と…というイメージは、我々の勝手な後付けイメージということがよくわかりました。太陽暦すらも、かつての権力者達に蹂躙され続け、現代にその傷跡を生々しく残しています。暦は歴史の産物に過ぎず、あくまで相対的な尺度であることを思い知らされました。しかしそれでも天の運行を絶対とし、そこに何とか繋がろうとした先人達の知恵の積み重ねが暦という発明を生み出し、我々に伝承されている…その事実に面白味を感じました。因みに『占い』に関する記述はおまけ程度です。2020/06/07
きさらぎ
5
ウンチクが恐ろしく多くて中々読み進められない。だからまあ…割と随筆を読む感覚で寄り道を楽しみつつ読める人にしか勧められないかなあとは思う。どちらかというと「暦」の領域に留まらず、ヨーロッパ、中国、日本まで、様々な地域の暦についての考え方、ひいては運命や神々についての見方というか「世界観」や言葉の由来などに広く触れることが出来るので、これはこれで面白い本だと思う。2020/07/19
Shinjuro Ogino
1
1982年出版の本の再刊。著者は1995年没の数学者。 書名副題中にある「数学」に違和感。書かれている内容は算数のレベルだ。広辞苑の「数学」に2つ目の意味が出ている。すなわち「数についての学問、今の算術」。 暦についての話はまあ面白いが、占いは(私には)面白くなかった。陰陽五行説、干支、八卦、九星術、ホロスコープの論理が如何に根拠が乏しいものかと思った。 1つ。日本でのグレゴリア暦の導入が1873年(ユリウス暦)ではなく1900年と書かれているのに驚いた。ウィキペディアを見ると維新政府のミスだった。2020/03/15
Tetsuya Suzuki
0
数学的検知から色々と洞察されてて面白いです。一週間が何故7日間なのか2月が何故他の月と日にちが異なるのかとか、何故9月がセプテンバーなのかとか。タメになります。(笑)2023/11/20
bittersweet symphony
0
「知的生き方」とかそのあたりのサラリーマン雑学系読み捨て文庫かと思わず見直してしまうくらい講談社学術文庫としては最低水準の内容でした。その辺の雑学系文庫なら実害はありませんが…。せめて暦の根拠が天文や物理の経験論から起因することを強調して“数理的思考”としないとなぞの書物にしかならないですね。2020/07/26