出版社内容情報
関ヶ原の合戦後に、西軍で唯一領土を減らされなかった所以とされる「島津の退き口」。70万石を守ることにつながった義弘のその手並みとは! はたまた、織田信長最大の窮地をまさに身を挺して救った羽柴秀吉の「金ヶ崎の退き口」。後に天下取りを競い合う、明智光秀や徳川家康も共に戦ったという奇跡の真相とは!──ほかに柴田勝政、馬場信春、堀秀政、石田三成、高橋紹連ら7人の武将たちが負け戦を「始末」して、あるいは出世の糸口をつかみ、あるいは華々しく散っていった「殿軍戦」を描いた戦国小説集!
内容説明
関ヶ原の合戦後、西軍で唯一領土を減らされなかった所以とされる「島津の退き口」。織田信長最大の窮地を身を挺して救った木下藤吉郎秀吉の「金ヶ崎の退き口」。ほかに柴田勝政、馬場信春、石田三成らが負け戦を「始末」して、あるいは出世の糸口をつかみ、あるいは華々しく散った「殿軍戦」を描いた戦国小説集!
著者等紹介
矢野隆[ヤノタカシ]
1976年福岡県生まれ。2008年『蛇衆』で第21回小説すばる新人賞を受賞。その後、ニューウェーブ時代小説と呼ばれる作品を手がける。また、ゲームやコミックのノベライズ作品も執筆して注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
151
殿軍戦を題材にした七編からなる短編集。武将の覚悟というのがひしひしと伝わってきた。とくに高橋紹運の話は、まさに命を賭けた覚悟であり、こんな男気溢れる武将がいるのかと引き込まれた。馬場信春の話は、かなり物語性のある話ではあるが、個人的には好きな話であった。七編とも良かったけど、帯に短し襷に長しという感じ。どれも短編では物足りなさを感じ長編で読んでみたいと思ったのは、全ての短編が良かったんだろうな。とくに高橋紹運の長編を読んでみたいと思った。著者から、覚悟の美学というのを学んだような短編集だった。2023/12/31
あも
74
窮地の撤退戦、滅びに向かう最後の戦、仲間のために捨て石となる戦。負け戦だからこそ輝く武将の生き様を描いた短編集。一言で言うなら【堅実】な小説。人口に膾炙したイメージを絶対に外してこない。それを安心して読めると取るか、無難で退屈と取るかは読者次第。と厳しめに始めてしまったが、題材となった人物・戦をよく知らない方には間違いなくオススメできる1冊。実際、好きな武将の話(堀久太郎、石田三成)は、そうそう!この人はこうでなくては!と思ったし、余り詳しくない武将(柴田勝政や高橋紹運)については、ほほう…と思わされた。2020/02/16
三代目けんこと
43
木下藤吉郎、馬場信春、柴田勝政、堀秀政、高橋紹運、島津義弘、石田三成。負け戦の中での生き様、しかと見届けた。馬場信春と言いたいとこだが、高橋紹運カッコいい!「高橋紹運っ、ここにありじゃっ」2020/03/19
ブルちゃん
37
いやー最高だな。最後の石田三成は少し残念だったけど、他の話は大満足😆堀秀政はイメージ通りで更に好きになったし、高橋紹運は知らなかったがその侠気に魅了されてしまった。馬場信春は、私の中では不気味なおじさんだったんだけど、この話読むと、人間感があった。島津は読後、なんだこの感覚🤔パクリ?と思ったら決戦!で一回読んでた🤣笑 にも関わらず入り込んだー!一編が短い中、ここまで魅力を引き出せる作者様スゴイな。大満足の読書✨ 2020/10/08
けやき
36
戦国時代の武人を描いた短編集。個人的には冒頭の金ヶ崎の退き口を描いた「禿鼠の股座」が面白かった。2020/12/11
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