出版社内容情報
IT企業間の大きな買収案件を落着させ、子会社・東京セントラル証券から東京中央銀行に復帰した半沢直樹。今度は、破綻寸前の錆びたナショナルフラッグ・帝国航空の立て直しを命じられる。その矢先、政府主導の再建機関から、500億円にもなる帝国航空の借金を帳消しにせよと持ち掛けられ、半沢がノーと言えば、お国からだけでなく、行内のあちこちからも睨まれ、憎まれ、脅され、四面楚歌に。そんな中、半沢はもっとも近寄ってはいけない行内のある問題に気づくが。シリーズ累計550万部突破、説明不要の「半沢直樹シリーズ」第四弾!
内容説明
腐った大航空会社が抱える七百億円の借金を、銀行は帳消しにせよ。政府主導の再建チームによる無茶な御達しを、受けて立つのは半沢直樹。拒絶するのが道理と思いきや、銀行上層部は生返事。かくして四方八方と全面対決に。図らずも掘り起こしてしまった行内のアンタッチャブルが、ある波乱の引き金になるとも知らず!
著者等紹介
池井戸潤[イケイドジュン]
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。’98年『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2010年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、’11年『下町ロケット』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
69
東京中央銀行本部に戻ってきた半沢が担当するのは、破綻寸前の帝国航空の再建。なんとか再建案が出来上がったころ、選挙で与党憲民党が下野、進政党が政権与党となる。結果、国交省大臣になった白井亜希子は、前政権の再建案を破棄、新たに私設再建チームを発足させ、帝国航空に融資した銀行に7割の債権放棄を強制する。シリーズ4作目は再建をめぐり真っ向ぶつかり合う半沢vs与党議員と再建チーム。進政党、白井国交省大臣、帝国航空のモデルになったのかも、というそれらを脳裏に浮べながらの読書、とても面白かった。2025/03/18
あきぽん
63
ドラマを先に観たので自分にとってはこっちが復習。ゴリゴリのビジネスの話を、ゴリゴリのエンターテイメントにして、業界を覗き見した気にさせる池井戸さんはやっぱりすごい。半沢さんは池井戸さんの同期だったのですね。頭取就任、おめでとうございます。2020/12/23
けぴ
54
半沢直樹4。今回はJALをモデルとした企業再生に関した話。過去3作と比較して半沢直樹自身の身分が脅かされることはないが、あの人が辞任に…。マンネリ感も少しあるが安心の勧善懲悪ストーリーで満足。2022/08/27
konoha
43
池井戸さんが書くバンカーが好き。半沢は帝国航空の再建を担うが、国土交通大臣が主導する再建チームに500億円の債権放棄を求められる。前半は半沢が大人しい気がしてスピードが上がらなかったが、再建チームと隠蔽された融資の関係を暴いていく後半が面白かった。根拠のない債権放棄を拒絶する半沢に信頼を寄せる帝国航空の山久、検査部の富岡が良い。半沢が帝国航空の変化を感じ、再生できると確信する場面が印象的。現場をきちんと見るから半沢は逆転できるのだ。中野渡頭取、富岡それぞれの引き際もかっこよかった。2024/08/21
活字の旅遊人
28
ここまで大きい話になってくると、一兵卒にとっては実感として迫ってくるものではなくなってきた。冒頭の遺書との関連をドキドキしながら待ちつつ読み進めるのは、楽しい時間だった。1巻から通して、渡真利、内藤、伊藤(この人は4には登場しない)、中野渡、今回登場の富岡と、旧Sがクリーンという描き方になるのは仕方がないんだけど、ちょっと歯痒さを感じる。秘密にしたいことでも、カネの流れとして保管してしまうのが銀行。それがないと、誤魔化す方も分からなくなるから真っ当な手なのだけれど、そこからバレていく。モデルも調べます。2020/12/12