ブルーバックス<br> 免疫力を強くする―最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ

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ブルーバックス
免疫力を強くする―最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ

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  • サイズ 新書判/ページ数 288p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065181775
  • NDC分類 491.8
  • Cコード C0247

出版社内容情報

テレビや新聞、インターネットには、毎日のように「免疫力を高める」とか「がんを免疫で治す」といった情報が流れているが、免疫学的に見ると、その大部分は科学的エビデンスが欠けている。残念なことに、こうした怪しげな情報に、多くの人たちが惑わされて、かえって健康を損ない、ときには寿命を縮めているケースさえある。 

その最たるものが、ワクチンに対する過剰な忌避感情・恐怖症だ。医学的にもっともエビデンスのある「免疫力増強法」は、ワクチン接種である。ところが、ワクチンの副作用を過剰に煽る人たちがいて、彼らの多くが医師や医学博士という肩書を持つことから、その主張はもっともらしく聞こえ、それなりの支持を獲得している。しかし、彼らの主張を子細に見てみると、ワクチンや免疫機構に関する初歩的な事実が見落とされ、しばしば医学的に誤った主張がなされている。こうした情報に翻弄されると、健康被害を受けかねない。もちろん、ワクチンは万能ではなく、効果が不十分である場合や、副作用が出ることもある。しかし、そのようなことを考慮しても、多くの感染症ではワクチン接種は有効で、ほとんどの人に利益をもたらす。

一方で、巷に氾濫している免疫力強化をうたう健康食品の多くには暗示効果以上のものはなく、摂取してもからだの免疫力はほとんど変わらない。健康食品は精神安定剤以上のものではない。免疫系全体の能力を上げるためには、むしろ、血流やリンパ流量をよくすることのほうが役に立つ(本書では、その科学的エビデンスや具体的な方法について、解説している)。そして、なるべくストレスをなくすことだ。「信じるものは救われる」と言うが、健康食品や民間療法の多くは「信じても救われない」。そのようなものに頼るよりも、からだの働き方を科学的に理解して、それに伴ったものの考え方、生活の仕方を実践することが賢明である。

本書では、近年注目を集めている「がん免疫療法」についても取り上げている。これまで抗がん剤以外に打つ手がなかった「がん」に対して、「がんワクチン」が使われ、効果をあげつつある。加えて、さらに最近、免疫チェックポイント療法、CAR-T療法など、劇的な効果をもたらす「がん免疫療法」が注目されている。本書では、こうした最新の免疫療法についても取り上げ、その可能性と限界についても紹介していく。

このほか、本書では、そもそも免疫力を科学的に測定することは可能なのか? また免疫力を科学的に高める方法は存在するのか? がんや高血圧などの病気をワクチンで治療することが可能なのか、など数多くの疑問に対して、科学的に誠実に解説した。インフルエンザや風邪が流行する前に読んでおきたい「読むワクチン」だ。



内容説明

免疫力増強を謳う健康食品やサプリメントは多数あるが、医学的に信頼できるエビデンスを持つものはほぼ皆無である。一方、医学的に最も信頼できる「免疫力増強法」はワクチンだが、副作用に対する過剰な恐怖感から日本ではその接種を控える風潮がある。免疫学の第一人者として知られる著者が予防接種や話題の「がん免疫療法」など科学的に信頼できる「免疫力の高め方」をわかりやすく解説する。

目次

第1章 病原体の侵入・拡散を防ぐからだのしくみ
第2章 ワクチンとはなにか
第3章 ワクチンを接種する前に知っておきたいこと
第4章 感染症別―ワクチンの現状と問題点
第5章 免疫記憶とはなにか?
第6章 がん免疫療法は「不治の病」を克服できるのか?
第7章 「夢の新型ワクチン」研究の最前線
第8章 「免疫力を強くする」のウソ・ホント

著者等紹介

宮坂昌之[ミヤサカマサユキ]
大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授。1947年長野県生まれ。京都大学医学部卒業、オーストラリア国立大学大学院博士課程修了。金沢医科大学血液免疫内科、スイス・バーゼル免疫学研究所、東京都臨床医学総合研究所等を経て、大阪大学医学部教授、同大学大学院医学系研究科教授等を歴任。2007~08年日本免疫学会会長。医学博士・PhD(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆいまある

92
免疫学の第一人者。コロナ禍になってから著者の本を3冊読んだ。免疫学に自信がなく、毎日不安だったから。知識は不安に効く。この本はコロナ禍直前に書かれており、ワクチンの仕組みと、ワクチンによって抑えられる疾患が解説されている。ワクチン凄い。ワクチン最高だぜ。「夢のワクチン」だったRNAワクチンが今や世界中で使われるようになり、多分感染症予防や、癌の治療について医学は飛躍的に進歩していくんだろう。希望が持てる内容だったが、もうそろそろ免疫の勉強しなくてもいい生活に戻りたい。2021/12/15

アキ

84
日本の免疫学の権威。マスコミでエビデンスが欠けた情報が出回っていると指摘。医学的に最もエビデンスのある免疫力増強法はワクチン接種。感染症以外にもがんワクチンや新型ワクチンも紹介している。巷で喧伝されている免疫増強食品やサプリメントで医学的に効果が確認されたものは皆無に近い。免疫系全体の能力を上げるにはストレスをなくし血流やリンパの流れをよくすること。正しい知識こそ、情報のワクチンとして確実に病気のリスクを低下させます。むしろ免疫が過剰に働く慢性炎症による病気も多いため、免疫を適正な水準に抑える必要もある。2020/03/25

k5

61
ちょっと積んでいたのですが、今ならニュートラルな気持ちで読めるかと思い。結局、免疫力を上げるにはワクチンと適度な運動、というのが結論でしょうか。全体的に説得力はあったのですが、マスクだけはあんまり効果がないように書かれていて、これが「マスクをしても意味がない」なのか、「マスクをしたからといって感染を防げるわけではない」なのかはちゃんと書いてほしいなあ、と思いました。2022/05/08

翔亀

42
【コロナ25】先日読んだ審良静雄/黒崎和博「新しい免疫入門」【コロナ22】が理論編なら、これは実践編というべきだろう。免疫力を強くするにはどうすればよいかが書かれているからだ。しかし、その答えは明快ではあるが、がっかりするかもしれない。ワクチンを打て、なのだから。■説明は最新の免疫学の成果に基づいた正確なものだ。インフルエンザや子宮頸がんなど各種ワクチンのメリットとデメリットが丁寧に説明される。どんなワクチンも100%安全ではない。しかし打たないで罹患した場合のリスクに比べると遥かによい、というのが↓2020/06/25

yutaro13

36
新型コロナを機に免疫のお勉強。人間の持つ免疫機構には驚かされるばかり。がん免疫療法についても紹介あり。さて、免疫力を高める方法として、科学的エビデンスがあり確実な予防効果があるのはワクチン接種。ところが最近はワクチン不要論が根強く著者の強い危惧を感じられる(いくつかの不要論には名指しで反論)。ワクチンのリスクはゼロではないがメリットの方がはるかに大きい。感情論ではなく理にかなった考え方を、との意見には賛同。ワクチン被害については、本書で紹介されている米国の「無過失補償制度」が参考になりそう。2020/07/31

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