出版社内容情報
大義、嫉妬、敵愾心。押しつぶされそうな時もある。
この三成は、屈さない。
あの嫌われ者は、何のために闘い続けたのか――。
豊臣家への「義」か、はたまた自らの「野心」からなのか。
覇王信長の死後、天下人を目指す秀吉のもと、綺羅星の如く登場し活躍する武将たちを差し置いて、最も栄達した男、石田三成。彼の「眼」は戦国を優に超えていた――。
歴史の細部を丁寧に掬う作家、吉川永青が現代人に問う、政治家石田三成の志。渾身の書き下ろし長編小説。
内容説明
あの嫌われ者は、何のために闘い続けたのか。覇王信長の死後、天下人を目指す秀吉のもと、綺羅星のごとく登場し活躍する武将を差し置いて、最も栄達した男・石田三成。秀吉の備中高松城攻めに従軍した若き日から、関ヶ原の戦い後まで、己の信念を最期まで貫いて、大義に捧げた生涯を丹念、かつ大胆に描く。
著者等紹介
吉川永青[ヨシカワナガハル]
1968年東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。2010年「我が糸は誰を操る」で第5回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞。同作は、『戯史三國志 我が糸は誰を操る』と改題し、翌年に刊行。’12年『戯史三國志 我が槍は覇道の翼』、’15年『誉れの赤』でそれぞれ第33回、第36回吉川英治文学新人賞候補となる。’16年『闘鬼 斎藤一』で第4回野村胡堂賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book Lover Mr.Garakuta
19
自分は歴史が好きなわりには、史観もなく、見識も浅い。なので当時の主要人物の一翼を担った人たちが多く出てくるこの書籍の主人公である石田三成の人物像はあまり知らなかったが、この小説を通して、ある程度の人物像は推察・推測できた。彼らの活躍を通して名を残せる程の人物でありたいと思ったのであろうか、日本をカタチ造ろうとして活躍する。最後は、内府(家康)の権謀術数と策略の前に敗退する。物語は備中高松城攻めから始まるが、三成は若いころからその才能を認められ頭角を現したようである。2020/02/17
茶幸才斎
6
いくさ下手と嘲られ、糧道・兵站整備に奮闘するも臆病者と罵られ、まつりごとに威厳と公平を求め時に苛烈に臨み、時に策を弄すれば、たちまち憎まれ、嫌われ、恨まれて、見れば周囲は敵ばかり。余人ならくさって自棄でも起こすところ、豊臣政権下で主君のため奉行職に邁進し、その才能を遺憾なく発揮した石田治部少輔三成は、戦乱の世に秩序を求め一途に奔走した。天下分け目の戦において、わずか1日で惨敗を喫した彼に、高すぎる理想が空回りしたと訳知り顔で評する者は、最後に彼が勝者徳川家康に浴びせた抜き身の天下論に、慄き沈黙するがいい。2021/04/27
tako_machida
4
偏屈というか信念を貫く石田三成がカッコ良かったです。左近や刑部、兼続との良好な関係は知られていますが、官兵衛とのエピソードは新鮮でした。2020/04/05
YUJIRO
3
三成に好意的すぎると思うが、小説なので、このくらい大胆な解釈があった方が面白い2021/08/14
ほち
3
いつの時代でも三成のように信念を貫くのはとてつもなく大変なことだと思うけど、あの戦国時代にそれを完璧に成し遂げた三成はどれだけすごい人だったんだろう。でもやっぱり敵を作りすぎた。関ヶ原の戦いで思うように味方が動いてくれなかったのも、読んでいてもどかしかったです(っ_•。`)2021/02/23