出版社内容情報
9月19日映画公開決定!
大友啓史監督×妻夫木聡主演、『宝島』
第160回直木賞、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞3冠受賞の作品、待望の続編!
「戦争は終わった。わたしたちの戦いはまだ終わらない」
あの島の「英雄たち」は奪われたものを取り戻し、力の限り生き抜いた。
彼らの「戦果」はひとつじゃなかった。
沖縄の芸能の祖と終戦を描く「ブーテン」
コザのAサインを舞台に「25セント」
迷宮入りした現金強奪事件「五つ目の石」
文化の交差点の劇場で「アーニーパイルで逢いましょう」
家族にはいろんな形があるさ「家族の唄」
1978年、沖縄がひっくり返った大騒動「ナナサンマル」
時代も年齢も多種多様な「戦果アギヤー」の姿を描く6つの「宝」のはなし。
【目次】
内容説明
時代も年齢も多種多様な「戦果アギヤー」の姿を描く6つの「宝」のはなし。
著者等紹介
真藤順丈[シンドウジュンジョウ]
1977年東京都生まれ。2008年『地図男』で、第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー。同年『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞、『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で第15回電撃小説大賞銀賞、『RANK』で第3回ポプラ社小説大賞特別賞をそれぞれ受賞。2018年に刊行した『宝島』で第9回山田風太郎賞、第160回直木三十五賞、第5回沖縄書店大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
61
宝島のアナザーストーリー。相変わらずすごい熱量。ウタが生きていた世界がまた見られて良かった。ヤマコやグスクにもまた会えた。死と隣り合わせの世界。アメリカでも本土でもない沖縄人の魂に震えた。沖縄に行った時には、美しい景色だけではなく、沖縄の歴史にも興味を持ってもらいたい。キャンプ地問題にももっと興味を持たないといけないと思った。2025/10/01
のぶ
58
沖縄が返還されてしばらくの期間にいろいろな事があったのですね。ニュースで知っていたこともあったけれど、アメリカから日本に変わるという事は大変なことですね。車の通行が右側から左側通行に変わった瞬間のことはよく覚えています。いろんな意味で勉強になりました。2025/09/19
さぜん
40
映画を見て読み、「宝島」の世界をもう一度味わい、更に沖縄の現在をもっと知らねば、いや知りたいと強く思った。戦争が終わっても彼らの闘いは終わらない。ヤマコやグスクは子供や若者達の未来を守ろうと踏ん張っている。「ナナサンマル」は本土復帰後に車の通行変更を周知するキャンペーンに紛れてある計画が進行していた。ヤマコは臨月の身ながらも教え子達を探し奔走する。当時の変更作業の大変さは想像を絶する。負担を負うのはいつも現地の人達だ。基地問題に起因する様々な問題が解決する日が来るのだろうか。目を背けてはいけない。2025/09/26
papako
32
『宝島』映画絶対見ない。でも、続編ということでこちらを。登場人物たちはそのままではなく、世界観を踏襲した短編集。やはり戦後の沖縄が息苦しい。映画の二人も歌手の親子も生きる場所が見つかってよかった。ヤマコ先生、最後に手が届いてよかった!ヤマコの相手がどんな人かわかってうれしい。最悪の事態を想像したけど、全てが前向きで力強く胸が熱くなりました。ナナサンマル、そんなこと想像もしたことなかった!確かに国が変わるって交通ルールも変わるってことだったんですね。戦果アギヤーから現代への一筋縄ではない物語の一端ですね。2025/09/21
檸檬の木
19
米軍統治下の沖縄を駆け抜けた若者を描いた只今映画上映中の『宝島』の続編。返還が島の人たちの望むかたちではなかったが、復帰の総決算である"車は左・人は右"「ナナサンマル」を目前に教員生活二十年目を迎え臨月のヤマコがかつての教え子たちとグスクも登場し、ドラマチックなその日を迎えることができた。戦争は終わったが、基地を抱える沖縄の人たちの戦いは終わっていない。知らなかった沖縄の現実を目の当たりにした一冊でした。多くの人に手に取って欲しい、そして、沖縄の事をもっと知って欲しいと強く感じました。 2025/09/28