出雲神話論

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出雲神話論

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  • サイズ B6判/ページ数 674p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784065177525
  • NDC分類 164.1
  • Cコード C0091

出版社内容情報



三浦 佑之[ミウラ スケユキ]
著・文・その他

内容説明

姉アマテラスに逆らって追放されたスサノヲ。スサノヲの娘スセリビメと結ばれて地上の主として君臨したオホナムヂ(オホクニヌシ)。しかし、その栄華も高天の原の神がみによって打ち砕かれる。この物語はなにを意味するのか。神話の向こうに微かに見える、古代における日本列島の姿を明らかにせんとする、著者の古事記研究五十年余の総決算!

目次

はじめに―古事記を読むということ
第1章 出雲とはいかなる世界か
第2章 さすらうスサノヲ
第3章 母なるカムムスヒ
第4章 オホナムヂからオホクニヌシへ
第5章 オホクニヌシの国作り
第6章 制圧される出雲
むすびに―遺りつづける記憶

著者等紹介

三浦佑之[ミウラスケユキ]
1946年、三重県生まれ。成城大学文芸学部卒業。同大学院博士課程単位取得退学。共立女子短期大学教授、千葉大学教授、立正大学教授などを歴任。千葉大学名誉教授。専攻は古代文学、伝承文学研究。1988年に『村落伝承論』(五柳叢書)で第5回上代文学会賞を受賞。2002年に『口語訳古事記 完全版』(文藝春秋)を刊行、ベストセラーとなる。2003年、同書で第1回角川財団学芸賞を受賞。『古事記』研究の第一人者にして、通説にとらわれない斬新な論を展開しつづけている。『古事記を読みなおす』(ちくま新書、第1回古代歴史文化みやざき賞受賞)、『風土記の世界』(岩波新書)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

82
600ページ超えの大作。古事記に描かれる出雲神話の世界にどっぷり浸りました。まず驚いたのは広く使われている「国譲り神話」という言葉の初出がおそらく1926年(大正十五年)であること。「国ゆづり」という本来は帝の譲位を表す言葉を、意図を持って出雲制圧神話に当てはめた人がいたのだと思うと愕然としますし、何の疑問も持たずにその言葉を使っていたことが胸に重く感じます。また以前から疑問に感じていたアマテラスとスサノヲのウケヒの場面。なぜ前提条件が示されないのかと思っていましたが長年の疑問が解けました。2023/02/07

南北

55
600ページを超える大作で読み応えがあった。古事記では神代の巻の3分の1の分量を占めながら、日本書紀ではほとんど語られていない出雲神話について論考している。「国譲り神話」は単に出雲を譲る話ではなく、日本海の支配権を含めたものだとする見解やカムムスヒ(カミムスヒ)の神は女神であるとする考えなど興味深い内容がある一方で、高天原を天上界にあるとしたり、北東アジアの神話との関連性を指摘するところなど同意しかねる部分もあった。とはいえ考古学や歴史学など関連する分野での研究につながることが期待できる点も多く見られた。2023/05/07

わたなべよしお

21
 面白かったし、三浦先生の説には概ね、賛成できるのだけれど、こういう細部にわたる論証だと、考古学の弱点がでてしまう。明確な根拠がないものを積み上げて高層ビルを建築しているので、少なくても私に、よく調べたら紙製の柱が多く含まれているのではと、疑ってしまう。現段階では誰にも真実が分からないものを皆でああだこうだと感覚で論議している状態だよね。まぁ、個人的には出雲神話が100%創作だとは思ったことなかったので、僕も感覚的には三浦派ではあるけれど、科学的な検証には耐えないよね、どっちにしても。2022/03/04

うつしみ

14
日本神話の元になった歴史を想像し読み解いていく労作。弥生後期、大陸に近い筑紫、出雲、高志などの日本海側は非常に発展しており、姫川を遡った諏訪周辺までがこの出雲文化圏を形成していた。古代人は船で列島を縦横無尽に行き来しており、造船操船技術に長けた海の民(宗像、淡路、熊野)もまた独自の影響力を持っていた。倭国大乱。この国を纏めあげたのは纒向周辺のヤマト王権だった。記紀は彼らの高天原ー中つ国ー黄泉国の垂直的世界観の神が、諸豪族の神を従える過程を物語っている。強大な出雲文化圏との接続が最も困難だったと思われる。2024/12/14

にしの

11
古事記・日本書紀・出雲風土記、また出雲国造神賀詞などにおける記述の差異から、本来の神話の形を読み解こうとしている著作。中央集権的国家成立前、つまりヤマト政権成立前の日本の姿、出雲・紀伊を中心とした豊穣な日本海ネットワークの痕跡を、神話や現存する寺社・祭祀を通して見出している。古事記がもつ物語としての魅力と、その日本書紀等での改変の裏に隠された政治的・権力的事情が刺激的でグイグイ読むことができた。日本神話がどうも断裂的な感じがするのは、様々な地方・時空の伝承を貼り合わせて作られているからなのだとわかった。2024/11/30

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