出版社内容情報
歴史あるホテル・ウィンチェスター。コンシェルジュの友納はホテルを騒がす怪奇現象に振り回されながも、今日もお客様のために働く。
内容説明
歴史ある老舗ホテル・ウィンチェスター。ここには444の亡霊が棲みついている。コンシェルジュとして働く勤続十年目の友納は、ありえないトラブルに振り回されながら今日も最高のおもてなしのために奔走する!血の降る部屋、怪奇現象が頻発する呪われたフロア、五十三年前の火災事故―の謎。“死者の祭り”ハロウィーンに現れる怪物とホテルの関係に隠された切ない秘密とは?
著者等紹介
木犀あこ[モクセイアコ]
1983年徳島県生まれ。奈良女子大学文学部卒。2017年『奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い』で第24回日本ホラー小説大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
66
【NetGalley】初読みの作家。幽霊物は好きなのでタイトルに惹かれて読んでみた。連作短編。冒頭はあまり怖くない、どちらかというとコミカルな幽霊達が出てくるので楽しいドタバタ系かと思ったが、ミステリー色もあり各話の最後は少しゾッと怖くなる。各話それぞれの謎以外に本筋の謎もありかなら楽しく読んだ。笑えて、怖くて、ちょっぴり切ない。でも読後感は何故かほっこりする。3442019/11/12
佐島楓
60
ちょっとアメリカ映画や小説の匂いがして、そういうものがお好きなかたはハマるのでは。ラスト付近の展開は広がりがあって情景が目に浮かぶようでよかった。2019/11/27
うまる
40
444の亡霊が棲み付くホテルで、コンシェルジュが通常ではありえないトラブルを解決するミステリ。明らかにいわくありげなホテルなのに、何の問題もないと言い張る主人公も、トラブルがある度に集まってくる亡霊たちも面白いです。ホテルという日常から少し離れた空間が活かされた謎になっているのが良かったと思います。展開が読める所はあったけど、他の部分が良くできているので、この舞台の雰囲気を最後まで楽しめました。読後表紙を見て、スニファーってこんなかわいいの!と驚きました。2021/05/14
あたびー
30
#日本怪奇幻想読者クラブ 日比谷公園を望む1等地に建つ高級ホテルには沢山の幽霊たちが。彼らとコンタクトし怪事件を次々解決するコンシェルジュ友納。いったい友納はいつ家に帰って寝るのだろうか?読みながら思った疑問はラストで明らかにされる。作者らしい恐怖と暖かみが織りなす4篇の物語。友納に絡む霊嗤い男は何故パナマにタキシードなの?頸折れ男の首は何故折れているの?そして友納はなぜ?ぜひ続きを書いていただきたい。2019/11/26
Kazuko Ohta
29
怖がりのくせして“ウィンチェスター”と聞くと引き寄せられてしまうんです。『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』(2018)も観に行きましたが、素面じゃ怖くて酒飲んで鑑賞したら爆睡してしまった(笑)。そんな幽霊屋敷をモチーフにしたらしい亡霊が棲むホテルの話。亡霊と会話もできるコンシェルジュが亡霊から呼び捨てにされているのが可笑しい。トラブルが起きたときこそビッグチャンスだというのは、すべての接客業において同じな気がします。“妖怪アパート”シリーズなどが好きな人にはお薦め。軽いのですぐ読める。2019/11/29
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- 和書
- 紙の罠 ちくま文庫