星海社新書
ジャパニーズハロウィンの謎―若者はなぜ渋谷だけで馬鹿騒ぎするのか?

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 320p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065172032
  • NDC分類 386.1
  • Cコード C0276

出版社内容情報

メディアを騒がす奇祭と化した日本のハロウィン。渋谷、池袋、川崎の現地での学術的調査を通じてそのメカニズムを初めて解き明かす!

内容説明

2018年10月28日未明、ハロウィンでにぎわう東京・渋谷のセンター街で軽トラックが横転させられ4名の逮捕者が出た。酔っぱらいの喧騒や路上のごみ問題など、負のイメージで取り沙汰される渋谷ハロウィン。一方で、20年以上の歴史を誇り地域に根付いたカワサキハロウィンや、クールジャパンのひとつともいえるコスプレ文化と結びついた池袋ハロウィン、毎年ツイッターのトレンドを独占する地味ハロウィンといったイベントは、文化的にも経済的にもおおいに注目に値する。本書は、いつの間にか日本の年中行事となったハロウィンの現在・過去・未来を、現地レポートや関係者インタビューを通して読み解いていく。

目次

第1部 ハロウィンのイマ(悩める街―渋谷ハロウィン;子に引き継がれる続く伝統―カワサキハロウィン;繋がるコスプレイヤーの情熱―池袋ハロウィン;拡まる個人―地味ハロウィン;薄まる集団―再び、渋谷ハロウィン)
第2部 ハロウィンのカコ(祭りの始まり―ケルトからアメリカへ、カブからカボチャへ;祭りの輸入―アメリカから日本へ、カボチャが軽トラに)
第3部 ハロウィンのサキ(ハロウィンの景色がどう変わったか?―座談会;なぜ日本でハロウィンがここまで大きなイベントになったのか?―まとめ)

著者等紹介

松井剛[マツイタケシ]
一橋大学経営管理研究科教授。1972年、北海道生まれ。2000年、一橋大学商学研究科博士後期課程修了、博士(商学)。2007年から2009年までプリンストン大学社会学部客員フェロー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サケ太

26
昨今様々な問題が起こっている渋谷のハロウィンを中心に、川崎、池袋、地味ハロウィンを取り上げつつ、それらとの比較を行っている。渋谷で起こるハロウィンの捉え方が立場によって差異が生じていたり、運営の不在によってコントロール出来ていない渋谷の現状が良く分かった。だが、同時に一筋縄ではいかない問題でもあり、即座の解決は困難であることも理解した。渋谷、川崎、池袋とそれぞれに特徴があり、興味も湧いた。遠い話ではあるが、どこかのハロウィンに行ってみたいなぁ、と思える一冊。2020/02/15

崩紫サロメ

12
日本で独自の発展を遂げたジャパニーズハロウィンについて、一橋大学の学生たちがそれぞれの問題意識から調査する。渋谷のものが有名だが、20年以上続いている川崎ハロウィンを取り上げた報告がなかなか面白かった。渋谷が主催者のいないものであるのに対し、川崎では地元企業が主催し、地元の家族連れが参加するイベントになっている、など。他にも中国やブルガリアなどの留学生からそれぞれの国でのハロウィンのあり方について聞いている。最後に学生たちが調査のあり方についての反省をしているのも微笑ましい。2019/12/03

あまたあるほし

6
学生のレポートという生々しさがあって、読みやすい。深い考察というよりも、若さの体当たり感を楽しむ感じの本だ。でも、商業出版にする以上、きちんとした校閲作業はした方がよかった。p100「ターミネーター2」で「I’ll be back」というセリフに触れ、マッカーサーが第二次大戦中にフィリピンから撤退する際にも同様のことを語ったと記されている。しかし、一般的知られているマッカーサーの言葉は、「I shall return」だ。米軍もこちらをプロパガンダに使っている。指摘する人はいなかったのだろうか。2019/11/05

ぷほは

6
渋谷スクランブル、池袋、地味ハロウィン、川崎ハロウィンという4つの事例から日本ハロウィンという現象の総体に迫る。しかしまぁ、そんなお膳立てはどうでもよく、本書は学生のみずみずしい文体を味わえる人文学的援助交際感が爆裂している。特に私の性感帯に触れたのは5章の山内くんの文章だ。自分の大学生時代に強制的にタイムスリップさせられるような、君に幸あれ!と願わずにはいられないような気分にトリップしてしまう程の罪な文体だった。アイドルファンの気持ちが少し分かる気がしてしまうのも最早うれしい。来年こういうゼミやりたい。2019/10/29

Moca

5
私は“ハロウィン”を知ったのは、小学生の英語の授業から知った。それまでは知らなかった。日本は仏教なので、あまりにもキリスト教の風習の情報源は十分伝わっていないのだ。形だけ情報伝わったとしても、どこかで誤解を招いてしまうのだと思いました。だから、ハロウィンはコスプレ大会だと思い込んでしまうのであろう。渋谷はそのイベントで荒れ果ててしまう。ハロウィンは元々ケルト民族の風習で、アメリカが餓死の危機であるため、広めたとされる。収穫祭とか日本で言うお盆的なイベントである。ちゃんとした正しい風習を大切にしていきたい2019/10/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/14382055
  • ご注意事項

最近チェックした商品