内容説明
犯人当てミステリー、ホラーサスペンス、異世界ファンタジー、お伽話の現代語訳、そして美少年BLまで。短編の名手が演じる小説一人九役!
著者等紹介
町田康[マチダコウ]
1962年大阪府生まれ。作家、パンク歌手。1997年『くっすん大黒』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞、2000年「きれぎれ」で芥川賞、01年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、02年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、05年『告白』で谷崎潤一郎賞、08年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞。自身のバンド「汝、我が民に非ズ」で音楽活動も積極的に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
187
町田 康は、新作をコンスタントに読んでいるマイブームの作家です。ごった煮的な不条理な短編集、オススメは、『百万円もらった男』&表題作の『記憶の盆をどり』&『少年の改良』の3本です♪♪♪2019/10/20
散文の詞
146
ぶつっと途切れるような文章やクセ、毒の強い表現。 どういういうふうに言えばいいのかわからないというのが第一印象でした。 内容は、割とありふれているのでしょうが、その独特な表現には、どうもついていけませんでした。 じっくり読んだら、または、何度も読んだら多少は理解できるのかも知れません。 また、短編だからもしれないので、長編を読んだら印象が違ってくるのかも知れませんが、どうもしっくりこないとうのが印象でした。 2021/12/17
ペグ
87
最新の短編集です。全八編の内七編は、フラフラと覚束ない足元、目眩で落下しそうになり、見上げれば雲の隙間から射す陽の光。頬を撫でる風は薄寒いのに首筋にじっとりと汗〜現実と幻の間で読んでいる自分が揺らぎます。そして唯一色彩的でくっきりと屹立する「付喪神」!縦横無尽に空駆ける意志を持ってしまった物達の戦。町田さんの面白さ〜身分や貧富の差、熱量の多寡が会話文でかいまみえたり、はっきりと見えてしまったり!その会話の妙に惹かれます。「少年の改良」も又味わい深い作品でした。2019/10/11
ペグ
85
再読。「付喪神」のみ読了。町田康さんの時代ものや新釈ものは、手放しで面白い!可笑しい! 色彩豊かで、リズムが良くて、お腹を抱えて読んでしまいます。「くっすん大黒」なんかも面白いけど、やはりこちら側の方が好きだ(´∀`*)2020/06/14
ネギっ子gen
67
【それにしてもこの面白さはなんだろうか、この弾け具合は】著者名の訴求力に加え、切れ味鋭い作品が群れを為しているであろうことが予見されるセンスの良い装幀に胸をわくわくさせて読んだが、期待通りの逸品。表題作『記憶の盆をどり』や『エゲバムヤジ』『少年の改良』など9編を収めた短編集。『エゲバムヤジ』を読んだら、無性にオクラのオリーブオイル焼きが食べたくなった! 【豆知識】鹿十(しかと)……花札の10月の絵柄「鹿の十(しかのとお)」の略語。十月の札は、鹿が横を向いた絵柄であるため、そっぽを向くことや無視すること。⇒2023/06/12