内容説明
動植物を神格化し、自然も神も人も、すべては平等である―!アトゥイ(海)、アペ(火)、コロ(支配する)、カラ(創造する)、ウク(受け取る)…。驚くべき自然観察者であるアイヌならではの、名づけの意味、語源、語彙素構成や使用法を拾いながら、その宇宙観、霊魂観、動植物観を言語学的に分析。認識人類学的アプローチで、“アイヌ文化”を旅する。
目次
第1章 アイヌの宇宙観
第2章 霊魂とカムイ
第3章 アイヌの植物命名法
第4章 動物の分類と動物観
第5章 諸民族との比較
第6章 世界観の探究―認識人類学的アプローチ
補章 現代に生き続けるアイヌの世界観
著者等紹介
山田孝子[ヤマダタカコ]
1948年生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程単位修得退学。理学博士。現在、京都大学名誉教授、金沢星稜大学教授。専攻は文化人類学、認識人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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黒澤ペンギン
5
今年読んだ中でトップ3に入る面白さだった。 アイヌとカムイの関係が想像とは違い、同等に考えられており、互酬性によって結ばれている。アニミズムと説明されがちだがその中身は一様ではない。 まだアイヌの他界観にまだ疑問が残っているので深めたい。 命名法などのことばから世界観を考察する認知人類学の奥深さを感じられた。2021/11/20
kana0202
2
文章、構成がまずいが、情報量は多い。狩猟において、仕留めることができるのは動物の意思による、動物はカムイが人間の世界を訪れるときの仮の衣装を着ている。フクロウ祭りの絵がすごい。ニヴヒは霊魂の生まれ変わりで、少しずつ小さくなる。おもろい。ウレシパカムイ、共生の世界。大事な言葉だ。2023/06/13
文狸
1
せっかく北海道にいるのでアイヌの勉強をしている。2022/03/06
りやう
1
俺には少し難しい内容だった。ただ後半の5章、6章は比較的興味深く、アニミズム分析の比較による文化ごとの超自然的世界の認識とか、メタファーとしての動物とかは勉強になった。2020/01/18
ホセ
1
文庫本といえでも、学術文庫。アイヌの世界観をちょっと知ってみたい入門者向けの本ではない。より専門的に知りたい人向け。2019/09/17