出版社内容情報
福澤 徹三[フクザワ テツゾウ]
著・文・その他
糸柳 寿昭[シヤナ トシアキ]
著・文・その他
内容説明
怪談社の糸柳寿昭と上間月貴が全国各地の忌み地、いわくつき物件を中心に取材。ふたりが足で集めた情報をもとに作家・福澤徹三が取材のプロセスや現場の状況を書き起こした前例のない怪談実話集。糸柳と上間は事故物件が集中する場所で、恐るべき怪異の連鎖に遭遇する。歴史から忘れ去られた戦慄の真相とは?
目次
発端
首洗い
煤
高田の婆ちゃん
猫が鳴く道
侵入者
三人連れの真相
お婆ちゃんの家
ガード下の幽霊
怪談稽古場
洗面所の影
先輩の彼女
盗み聞き
体操する幽霊
著者等紹介
福澤徹三[フクザワテツゾウ]
小説家。2008年『すじぼり』で第10回大藪春彦賞を受賞
糸柳寿昭[シヤナトシアキ]
実話怪談師。全国各地で蒐集した実話怪談を書籍の刊行やトークイベントで発表する団体「怪談社」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
129
取材者と書き手が異なるということで、様々ないわくつきの物件の話が数ページにわたって語られています。実際にあった話が多いようですがそんなに怖さは感じませんでした。私もそのような物件を見た経験があるのですが、(例えば数十年前には放置されて廃屋となった病院やアパートがかなりありましたが)最近はすぐ取り壊されてあまり見なくなりました。2025/01/29
中玉ケビン砂糖
92
肝心の第一弾を読んでいなかった。取材者と執筆者が分業方式で共作のかたちをとるというやり方は、低予算で編まざるをえない実話系怪異本には珍しいのでは。たとえこれといった噂などがなくとも地元の人と四方山話をしているうちに、予想もしない話が飛び出て派生していく。そして大過去の暗い事実に突き当たる。「当該事件事故物件にさしたる収穫がなくても、招き寄せるかのように近辺では『怪』が群発している」。収集家としてのの経験則が面白く、まさに『忌み地』というタイトルがピタリとくる怖さ。#日本の夏は、やっぱり怪談2023/07/02
眠る山猫屋
80
【日本の夏は、やっぱり怪談】参加作品2冊目。怪談社のメンバー三人が様々な取材を経て、ある場所に辿り着く。かつてその町に何が起きたのか、何があったのか。大島てるのサイトに導かれたり偶然のアドバイスから出くわす不吉な場所。ある意味『残穢』にも似た、ただしリアルな死の影。怪談社の面々はわきまえていたから、はいっはいけない場所には立ち入らないし、開けてはならないと警告された扉は開けなかったが、そんな場所が現実にあるとは。関西方面にお住まいの方々は、特定できそうな場所も多いのでは。2021/07/10
sin
79
実話怪談である。怪談社(講談社かと思った)のメンバーが、各地に赴いて取材した体験談を作家がまとめて本にしたものである。怪談と云っても現在進行形のものは避けておられるようで、伝聞としての収集をされているようだ。怪談と云うとおどろおどろしい印象を持つが、むしろ淡々とした調子で出来事が積み重ねられていくが、忌み地と云うだけあって、そうした体験談がある地域で纏まって語られる様は、何かしらあるという証拠めいたものを突き付けて不思議だ。2021/07/17
HANA
75
実話怪談集。怪談社お二人の怪異収集を福澤徹三が描くという珍しい構成。怪談の中には土地と分かち難い関連を持つ話も多く川奈まり子始めそちらを描く作家も多いけど、本書もそのような話を多数収録している。というか九州にあるらしきKって凄いな。バズーカが発見されるだけじゃないんだ。大島てるとのコラボも怪談としては珍しく見もの。収録されている怪談も筆力が安定してて安心して読めるが、それよりも怪談社二人の東奔西走具合がまた面白い。怪異探して列島の東西南北走りまわる姿は、怪談愛好家として尊敬の念が尽きないわけでありました。2019/08/10
-
- 和書
- 戦略の未来