出版社内容情報
越、滅亡の危機! そのとき范蠡は重大な決断をする。
内容説明
越王句践は、呉を破らんと奇策を練っていた。林野に船を運び、五湖を渡って呉都を急襲するという大戦略だ。しかし側近の范蠡は、呉には重臣・伍子胥の秘策があるのではないかと胸騒ぎをおぼえる。国家の命運を賭した戦いに勝つのは、呉か越か。二千五百年の時を超えて鮮やかに蘇る春秋歴史絵巻、緊迫の范蠡篇!
著者等紹介
宮城谷昌光[ミヤギタニマサミツ]
1945年愛知県蒲郡市生まれ。『天空の舟』で新田次郎文学賞を、『夏姫春秋』で直木賞を、『重耳』で芸術選奨・文部大臣賞を、『子産』で吉川英治文学賞を受賞。中国古代に材をとった歴史ロマンの第一人者。小説、エッセイの著書多数。2006年に紫綬褒章、’16年に旭日小綬章を受章した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
98
呉越春秋の物語の第8巻です。単行本では最終巻9巻目が出たようで、いよいよ最終局面を迎えます。それぞれの国の重臣である伍子胥と范蠡の知恵比べというかそれをうまく物語にした宮城谷さんの構想力はやはり大したものだという気はしました。最終巻が出たらまた最初から通して読まないと忘れてしまいます。2019/10/23
Tomoichi
21
ついに呉の反撃が始まり、越は返り討ちにあい滅亡の淵に。伍子胥の結末を知っているだけに次巻に進むのが辛い。2020/02/29
Book Lover Mr.Garakuta
20
面白い。面妙に尽きる作風で、当時の人たちが現代によみがえったらどうなるだろうかと思いながら読んだ。物語も、最高の熱気を感じ乍ら最終巻へ。にしても、本を通じて過去の出来事から学べる事も多いと思うし、恨みつらみだけで、争うのもあまり歓迎できないなと思った。2020/11/10
しんすけ
16
范蠡は何事も成すにあたって事前に回答を得るように心がける人だったと思われる。そして満足な回答が得られない場合はその途を回避するように心がけていたと推定できる。 だが越王勾践は呉との戦いに臨む段階では、まだ范蠡の真価を認めてはいなかった。呉王闔閭を破った余韻が勾践の中に残っていたのであろう。 伍子胥以外は情報収集に疎い呉だったが、成り上がりの越にとってはまだ戦いの強者だったのだ。 越は破れ越の民の生活は破壊されかねない状況になってしまった。2020/11/23
サチオ
11
相互で裏をつこうとした呉越の激突により明暗がはっきり分かれる中、伍子胥と范蠡もそれぞれ奮闘し苦悩する。敵味方それぞれを主観でみれるのは面白いがいよいよ次で最終巻、文庫化が待てるだろうか…。2020/01/21