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出版社内容情報
日本環境化学会[ニホンカンキョウカガクカイ]
著・文・その他/編集
内容説明
かつて社会問題にも発展した化学物質による環境汚染だが、排出規制や環境技術の革新によって問題は解決したように思われていた…。しかし、実際は、ダイオキシンなどの環境ホルモンやマイクロプラスチック、PM2.5、メチル水銀などによる汚染は全世界に広がり、生態系に回復不能なダメージを与えつつある。地球規模で進行する深刻な汚染の実態。
目次
プロローグ 地球をめぐる不都合な物質とは
第1部 人類が作り出した化学物質が地球を覆う(世界に広がるPOPs汚染―海生哺乳動物の化学物質汚染と途上国のダイオキシン汚染;マイクロプラスチック「不都合な運び屋」;水俣病だけではない「世界をめぐる水銀」;古くて新しい不都合な物質「重金属」四大公害病から越境汚染まで;知られざるPM2.5―何が原因?どこからやってくる?)
第2部 不都合な化学物質は、私たちにどのような影響をもたらすのか?(メチル水銀が子どもの発達に与える影響を探る;化学物質が免疫機構に異常を引き起こす―免疫かく乱とアレルギー疾患;毒に強い動物と弱い動物―解毒酵素を介した化学物質との攻防)
エピローグ 化学物質をめぐる対立
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TATA
41
海洋プラスチックとかいくつかの環境問題の事実に基づくところを理解したく手に取った。PM2.5、メチル水銀といくつかの関心のあるトピックに触れており役立った。リスクに関する価値観は人それぞれ、との記載が印象的。たしかにリスクと事実をちゃんと理解した上でメディアの記事を判断すべきなのでしょうね。どうしても煽り記事の類は多いですし。2020/01/05
ローレンツ🐾
13
地球をめぐる【不都合】な物質。でも、我々人類には都合のいい物質でもある。人類が豊かな生活を手に入れるたびに地球の環境を脅かす。そもそも、ただ生活しているだけで環境汚染している。わかっていたつもりだったけど、まったくわかっていなかった。全人類が少なくても本書の内容くらいは理解しておかないといけないのかもしれない。良書。2021/05/23
中島直人
11
(図書館)客観的な事実を基にバランスが取れた内容となっている。ただ、不確定要素が多過ぎ、また科学的知見が不足していることが明らかである以上、不気味な怖さが重い。2019/12/09
大先生
10
ダイオキシン類、PCBなどのPOPs(残留性有機汚染物質)、マイクロプラスチック、水銀などの重金属、PM2.5等が地球をめぐり、地球規模で環境汚染が進行している。化学物質にはリスクとベネフィットがあるからバランスをとって使用するのが正しいとされているようですが、この本で解説されているように、化学物質が環境や生物に与える影響については未知のことが多過ぎます。我々は環境問題に対してもっと謙虚に、できるだけのことはやるべきだと思います。(例えば、最近だとレジ袋くらいで文句いうな!苦笑。)地球人必読書です。2020/07/24
アセロラ
9
プラスチックだけでなく、ダイオキシン、水銀、重金属、PM2.5、アレルギー疾患、など様々に渡って説明があり、おおよそのことを把握できます。わかりやすいです。化学物質は、最後には北極圏に集まります。高温の地域では揮発して大気にとどまり、それが偏西風に乗って寒い地域にめぐり、低温の地域では土壌や水に吸着されやすいため。プラスチックには添加剤(紫外線を防ぐ、やわらかくする、などの目的)が含まれていて、有害なものもあります。「子孫から借りている大地」という言葉が印象的でした。2020/02/09
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