出版社内容情報
味見してみちゃ、くれねえかい? 読んで美味しい“人情”という銘菓。
“思い”のこもった諸国の菓子が、強張った心を解きほぐす――。
親子三代で営む菓子舗を舞台に、人の温もりを紡いだ傑作時代小説!
武家出身の職人・治兵衛を主に、出戻り娘のお永、孫娘のお君と三人で営む「南星屋」。
全国各地の銘菓を作り、味は絶品、値は手ごろと大繁盛だったが、治兵衛が手を痛め、粉を捏ねるのもままならぬ事態に。不安と苛立ちが募る中、店の前に雲平という男が行き倒れていた。聞けば京より来たらしいが、何か問題を抱えているようで――。
吉川英治文学新人賞受賞作
『まるまるの毬』
待望の続編!
内容説明
武家出身の職人・治兵衛を主に、出戻り娘のお永、孫娘のお君と三人で営む「南星屋」。全国各地の銘菓を作り、味は絶品、値は手頃と大繁盛だったが、治兵衛が手を痛め、粉をこねるのもままならぬ事態に。不安と苛立ちが募る中、店の前に雲平という男が行き倒れていた。聞けば京より来たらしいが、何か問題を抱えているようで―。
著者等紹介
西條奈加[サイジョウナカ]
1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。12年に『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞を受賞、15年には『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
232
人の縁とは、不思議なものだーあゝ、良い物語を読んだ。【南星屋】の皆に又、会えた。『まるまるの毬』の続編、西條奈加さんがタイトル作を含む連作7話。どれも良い。読んでいる間、幸せな時間だった。そして、どのお菓子も食べてみたい。2019/07/25
ひさか
211
小説現代2016年1月号:夏ひすい、8月号:吹き寄せる雲 、2017年5月号:つやぶくさ、9月号:みめより、2018年1月号:関の戸、5月号:竹の春、8月号:亥子ころころ、の7つの連作短編を2019年6月講談社から刊行。シリーズ2作目。面白いのだが、なんかわざとらしさを感じます。2020/08/09
とろとろ
180
和菓子が詳細に解説してあるので、とても面白い。それに殺人も無いし、意地悪なやつも出てこないし、ほのぼのとした江戸の生活の中での和菓子の話だから、なんだか安心して読めた。和菓子の話は自分の中では坂木司が思い浮かぶが、この作家さんにもあったんだね。この題材も結構、話になるんだなぁ。そういえば、洋菓子を題材にしたのもあったっけな…、など思いながら結局一気読みしてしまった。読み終わってから「まるまるの毬」という前説があったらしい。主人公がなぜ和菓子職人になったのか、いきさつが解るらしいが…。まっ、今はいいか。2019/10/07
タイ子
178
前作を再読しての即読み。こんなに気持ちよく続編に入るのもいいなと、思ったら冒頭から治兵衛が手を捻挫しているという気の毒な状態。思うままにならない体が厭わしい。そんな時、現れた渡り菓子職人の雲平が店と治兵衛の気持ちを救ってくれる。何故雲平が江戸に現れたのかが今回のストーリーの基になり、武家社会に生きる武士たちの矜持と切なさをホロリとさせながら読ませる。五郎おじさん最高。もちろん、美味しそうなお菓子も数々登場、雲平の出現で揺れる女心もありで南星屋の先が見てみたい。続編が楽しみです!2019/09/09
初美マリン
177
こんな小説いいですね。みんなに優しくみんな思いやりが、あってゲスト出演の人たちも優しい2019/10/03