講談社タイガ<br> 透明なきみの後悔を見抜けない

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講談社タイガ
透明なきみの後悔を見抜けない

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065156018
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

幽霊と、恋はできますか?静岡書店大賞を『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』で授賞した著者の最新長編、待望の刊行。

内容説明

気がつくと駿府公園の中央広場にいた。ぼくは―誰なんだ?記憶を失ったぼくに話しかけてきた、柔らかな雰囲気の大学生、開登。人助けが趣味だという彼と、ぼくは失った過去を探しに出かける。心を苛む焦燥感。そして思い出す。ぼくは教師で、助けたい子がいるんだ!しかしぼくの過去には驚きの秘密が…。本当の自分が見つかる、衝撃と感動が詰まった恋愛ミステリー。

著者等紹介

望月拓海[モチズキタクミ]
神奈川県横浜市生まれ。日本脚本家連盟会員。静岡県で育つ。上京後、放送作家として音楽番組を中心に携わった後、2017年『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』で第54回メフィスト賞を受賞しデビュー。同作は2018年、第7回静岡書店大賞“映像化したい文庫部門”を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

aquamarine

76
読みたいと思ったきっかけは静岡書店大賞選出。知っている場所が出てくるかしらという軽い気持ちでした。駿府城公園で記憶を失った状態で目覚め、途方に暮れるぼくに声をかけてきたのは大学生開登。彼と一緒に過去の自分を探すことになりますが…。基本は開登を中心にした連作短編。温かくて悲しくてほろほろ涙がこぼれそうになる短編は最後に大きな展開を見せます。最後まで読むと、ちゃんと伏線がいくつも思い当たる優しい恋愛ミステリ。タイガということで軽めのものを想像していましたが想像以上に良かった。前2作も是非読んでみたいです。2019/10/04

佐島楓

55
あまりミステリのトリックを探す体勢を作らず、さらっと読むのが正解だと思う。2019/07/30

おかむー

53
著者買い作家さんの新刊は、過去二作に比べるとライトなノベル感が気になるあたりが惜しい。『もうすこしです』。他人には見えない成仏できない霊と話せる主人公・開登が、霊の生前の後悔を晴らしてゆくハートフルな連作短編…のようで終盤で明かされる別視点によって反転する手法は著者ならではの仕掛け。ただ一篇ごとの掘り下げがいまひとつのため全体に浅い感触となって結果として最近ありがちな「ボクキミ感動系」と大差なくなっちゃってるかな。短編ごとにワンポイントづつ入れた伏線も“最後に回収するための仕掛け”にしかなってなくて残念。2019/09/22

ami*15

42
開登の“人助け”と彼自身に隠された秘密。物語は開登が様々な事情を抱えた人々を救っていくそれぞれ独立した短編のような形で進んでいくが、終盤には全ての“人助け”がひとつにまとまり、ちょっとした驚きが味わえた1冊。この物語の仕掛けを知った時、今作で描かれていた「もう一つの物語」が浮かび上がって見えた。ミステリーでありしっかりとした恋愛小説でもあり、ドラマティックな展開と無難な結末が他作品にも通じる望月さんらしい作品でした。個人的に今作は作品の情報をあまり知らない方がより面白く読めるかもしれない。2019/08/12

よっち

35
子供の頃から人助けが趣味だという柔らかな雰囲気の大学生・開登。そんな彼が出会った人々の手助けをして後悔を解消してゆく恋愛ミステリ。不登校の生徒を気にかける教師、ダンス仲間と仲違いしてしまった女の子、自らの後悔がわからない女子大生と、仕事に明け暮れるうちに大切なものを見失ってしまったネイリスト。出会った人々に寄り添いその後悔に一緒に向き合ってゆく開登という構図から、これまでのエピソードが次々と繋がってゆく中で見えてくるもう一つの真実があって、人のために奔走する優しい開登にもたらされた結末が素敵な物語でした。2019/08/19

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