出版社内容情報
原田 伊織[ハラダ イオリ]
著・文・その他
内容説明
維新が直前の時代、江戸を全否定したことは明治政府最大の過ちであった。世界は今、サスティナブルで先験的知見に溢れた江戸に「次の時代」を描くヒントを見いだしつつある。「維新三部作」で維新の誤謬を厳しく総括した著者が、今こそ日本が引き継ぐべき、江戸システムのエッセンスを初解明する刮目の書。
目次
序章 世界のクロサワを生んだ『羅生門』の雨
第1章 「明治維新」という過ち
第2章 明治復古政権による「江戸」の全否定
第3章 誤解に満ちた江戸社会
第4章 世界が驚いた江戸の社会システム
第5章 「ポスト近代」の指針 江戸の価値観と思考様式
著者等紹介
原田伊織[ハラダイオリ]
作家。京都市生まれ。大阪外国語大学卒。広告代理店でマーケティング・プランニングや番組企画などに携わる。2005年『夏が逝く瞬間』(河出書房新社)で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コチ吉
7
以前から明治維新前後に登場した群像について書かれたものを読むと、実際にとった行動とその真意がよく分からない事が多々あった。本作を読んでそれが少し整理された気がする。維新の英傑をテロリストと一刀両断するなど刺激に満ちた内容だ。若い頃石川英輔氏の著作で江戸文化の素晴しさに触れた。世界が江戸へ向かっている、というのは頷ける。2019/08/25
Hiroki Nishizumi
5
言いたいことは分からないでも無いが、思い込みが強くちょっと首を傾げるところが多い。まぁそれでも舶来信仰は考えなおすべきだな。2023/03/28
Mark X Japan
3
最初の方は,以前と同じような内容が主観的で興ざめしました。後半は,江戸時代の知られざる社会システムが多くて,とても参考になりました。江戸時代は,地方分権・自然災害対策等で,学ぶべきことが多いです。☆:3.52019/09/25
ken ken
2
最近、反薩長史、反司馬史観的な本が多く出版されているようです。 学校では江戸時代は参勤交代、鎖国、士農工商などや封建的で暗いイメージとして学んだ気がします。逆にこの本ではこの時代の庶民の日常生活が具体的に幸せそうに描かれています。勝者の歴史観に染められてしまわないよう注意も必要かと感じました。2021/08/16