出版社内容情報
小説という、旅に出る。
国、ジェンダー、SNS――ボーダーなき時代に、鬼才・宮内悠介が届ける世界地図。本文に300を超える「註」がついた、最新長編小説。
内容説明
国、ジェンダー、SNS―ボーダーなき時代に、鬼才・宮内悠介が届ける世界地図。本文に300を超える「註」がついた、最新長編小説。
著者等紹介
宮内悠介[ミヤウチユウスケ]
1979年東京都生まれ。1992年までニューヨーク在住、早稲田大学第一文学部卒。在学中はワセダミステリクラブに所属。2010年、「盤上の夜」で第1回創元SF短編賞の最終候補となり、選考委員特別賞である山田正紀賞に輝く。同作を表題とする『盤上の夜』は第147回直木賞候補となり、第33回日本SF大賞を受賞。さらに第2作品集『ヨハネスブルグの天使たち』も第149回直木賞候補となり、第34回日本SF大賞特別賞を受賞した。また、2013年には、第6回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞、2017年、『彼女がエスパーだったころ』により第38回吉川英治文学新人賞、『カブールの園』で第30回三島由紀夫賞をそれぞれ受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
204
宮内 悠介は、新作中心に読んでいる作家です。著者の遊び心満載で、宮内 悠介ファンには楽しめる内容だと思いますが、あまり意味のない?注釈も多く、個人的には読みづらい作品でした。こんなに余白をとって注釈を入れる著者の意図が理解出来ません。2019/06/05
南雲吾朗
84
旅と言うものに含まれる偶然が絡まり合い綺麗に一筋の道を示してくれる。ある意味冒険小説、いやこれは体験小説である。脚注が多いが、それがまた楽しい。脚注だけで、ひとつの旅が出来てしまう。宮内氏は実際に旅をして現地の雰囲気をそのまま描写しているので、温度、匂い、全てが実際に肌で感じられる。「ヨハネスブルグの天使たち」とは違った印象だった。表紙に書かれている前書き(後書き)を読むと、それまでと違った連載方法で書いてきたのだと解り、宮内氏の他の本と違った印象を受けたのも納得できる。とにかくすごく面白い。2019/05/13
ダイ@2019.11.2~一時休止
73
小説とエッセイの中間のようなものらしい。特に多用されている注釈がエッセイっぽい?。2019/06/25
buchipanda3
71
いやあ偶然の聖地を彷徨った彷徨った。それは偶然の産物なのか未解決のバグなのか。検索するのも難しいイシュクト山を目指す者たちの旅物語、いやデバッグ物語、いや壮大なほら話。作者の脱線蘊蓄話やボケツッコミのメタ脚注も混ざって読み心地はSF純文学な感じ。オリエンタルな雰囲気とデジタルって意外と合う。変な造語、コンクラーヴェパターン設計とかただ言ってみたかった的な表現が一杯。そこに宇宙エレベータを奏でる巨人とか素敵な比喩も出没。世界一つまらない町とか観光ネタからゲームや子供時代の思い出など著者の感性も詰まっていた。2019/05/26
keroppi
67
小説とエッセイの中間のようなものとして書き始めたようだが、本文は、プログラミングされた世界のバグを探求するといった感じの小説で、注釈は、プログラマーや旅人としての経験を綴るエッセイ風である。注釈は、単行本化の時点で書き加えたみたいだけど、二つ合わさって、とても楽しい。宮内さんの頭の中を覗くような不思議な感覚を味わった。2019/06/24