出版社内容情報
2015年に発表された短編推理小説の中から、日本推理作家協会賞短編部門受賞の2作をはじめ、選りすぐりの8本を収録!
内容説明
偽宗教で荒稼ぎしているベテラン女性詐欺師。その手管と首尾を描くトリッキーな一作、大石直紀「おばあちゃんといっしょ」。会社の保養所でトランプを始めたOL三人組。罰ゲームで明かされる秘密が心底恐ろしい永嶋恵美「ババ抜き」。日本推理作家協会賞を受賞したこの二作品を含む、選り抜きの8編を収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピロ麻呂
38
秋吉理香子「リケジョの婚活」がおもしろかった。ナイナイお見合い大作戦が元ネタやね!「婚活中毒」収録作だそう。小林由香「サイレン」は「ジャッジメント」にて既読済。「十五秒」がなかなか斬新でよかった(^^)2019/05/02
山羊沢あかね
14
大学に入りたての日に図書館で同じ2015年のベストミステリーズの単行本を読んだことがあったのだが、まさか文語本として復活していたとは… 1日で読みきるのは久しぶりです。 「おばあちゃんといっしょ」をもう一度読みたくて買ったのですが最後の「静かな炎天」の伏線がここに行き着くとは!!という驚きと名探偵葉室晶の淡々とタフで情に厚い人間性に惹き付けられました…!2020/03/01
tamako_black
11
どれも面白かった。若竹七海以外は初めての作家さんばかり。おばあちゃんといっしょに騙され、15秒では手に汗握り、サイレンでは考えさせられた。どの作家も他の作品が読みたくなった。オムニバスは、作家の幅を広げてくれるからいい。2019/05/19
ゆい
5
8人の作家による短編集、ババ抜き、リケジョの婚活、サイレンが個人的好みでした。1番好みだったサイレンのあらすじを少しだけ… 復讐法という法律が制定。19歳の少年に4日間に渡り暴行をされて殺された息子。父親は復讐法を望み自らの手で、少年が息子を殺したように4日間をかけて少年を殺すことを志願する。法律で可能となった復讐による殺人。父親の葛藤。終わり方もすごくよくまとまっていて感慨深い作品でした。2020/05/03
桑畑みの吉
3
2015年に発表されたミステリーを8篇収録。いずれの作品も読みごたえがあった。典型的な詐欺師の話であるが、捻りのきいている「おばあちゃんといっしょ」。心理描写が秀逸な「ババ抜き」、「リケジョの婚活」の2作品。本書で一番面白かった「十五秒」。狙撃された被害者に死神が死ぬまで15秒の猶予を与える。この時間で被害者は加害者に一矢報いたい。被害者、加害者、死神との三者丁々発止のやり取りに引き込まれた。他のレビュアーの方も書いている通り、2021年に『世にも奇妙な物語』の1エピソードとしてドラマ化もされている。2024/07/14