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出版社内容情報
府中市美術館開催『へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで』展」(2019年3月16日~5月12日)公式図録です。
内容説明
素朴、稚拙、ヘタウマ、突拍子もない造形…決してきれいとは言えないけれどなぜか心惹かれる日本人の「へそまがりな感性」が生んだもうひとつの日本美術史。仙〓、若冲、蘆雪、国芳、家光…全138点。
目次
第1章 別世界への案内役 禅画(寒山と拾得;麟祥院、もう一匹の竜―雲竜図襖、修理の現場から;仙〓さんのアトリエ―博多・幻住庵を訪ねて;禅と子犬と蘆雪のへそまがり)
第2章 何かを超える(俳画と南画;稚拙みと「ヘタウマ」;お殿さまの絵の謎)
第3章 突破子もない造形
第4章 苦みとおとぼけ(苦み;おとぼけ感覚)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
85
インパクト抜群!作者も様々。一風変わった日本美術を言い得て妙な解説で楽しめる。禅画、俳画・南画、突拍子のない造形など独特の世界観を表現。お殿様たちの謎すぎる絵も心を捉える。いつものタッチとは違った伊藤若冲の絵。シュールで脱力系が多く見れば見るほど可笑しい。同じ題材の絵を正統派と“比べてみる”も面白い。何かを超えた日本美術の世界を堪能できた。2022/05/19
りー
32
読友さんの呟きをきっかけに「そういえば、府中は結局行けなかった…。」と、図録を図書館で借りてみました。ネットで盛り上がっていたので断片は知っていたのですが、展覧会の全貌を知りたくて。勿論、上様の画伯っぷりにはニヤニヤしてしまいますが、漱石先生の生真面目な絵や、小林一茶の自画賛作品にも「ほほぅ!」と思い、応挙&芦雪の仔犬たちにほっこり。禅の世界は相変わらずよく分からないけれど、楽しいから良し!手を変え品を変えて見る人の目を楽しませる絵が多いのが日本の良いところだと思います。常識を笑うへそまがり。楽しかった!2022/01/20
うなぎ
25
上様はどこまで本気なのか?のキャッチコピーと、上様こと徳川家光の画伯ぶりが世間に明らかになった伝説の展覧会の図録。表紙のうさぎやウサ耳木兎もやられたけど、家綱公も相当な画伯だった😂仙崖の羅漢様達の目からビーム出てる奴も凄かったなぁ。2021/12/05
歩月るな
22
御用絵師が周りにいて直接指導を受けられる環境でありながら、ピヨピヨ鳳凰が出てきて「上様流石で御座います」をやっていたことを考えると、薄氷を踏むが如しだったのかもしれないし、それ以上の深い何かがあるのかもしれない、ここでは触れられないけれど、まあシリアスな笑いに近いなにかがあるし、笑わせるのと笑われるのは違う事だから、真面目なのかどうなのか、知る由もないというのがまた面白い所かもしれない。絵の巧拙なんざってえのカウンターカルチャー的でありながら、そのロックをやってるのが将軍様だからなんとも言えないのである。2023/12/15
toe
10
真剣に描いたのにヘタになってしまったオモシロ作品がある一方で、あえてヘタに描く、まさにヘタウマな感性が古い時代からあることに驚いた。美しいってなに?を問いかける哲学、禅問答だなあ。ヘタだけどそれが味なのよね、みんなちがって、みんないい。すべてを包みこんでくれるような、へそまがり美術に癒された!一発勝負の水墨画や禅画のかっこよさも。実際に飾られてる掛け軸の写真は、本来の雰囲気が感じられてよかった。府中市美術館ちょいちょい気になるよねー2021/02/11