講談社学術文庫<br> 技術とは何だろうか―三つの講演

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講談社学術文庫
技術とは何だろうか―三つの講演

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  • サイズ 文庫判/ページ数 176p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065150108
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C0110

出版社内容情報

 本書は、20世紀最大の哲学者マルティン・ハイデガー(1889-1976年)が、第二次大戦後の1950年代に行った「技術」をめぐる代表的な三つの講演を新訳で収録するものである。
 1950年6月にミュンヘンで行われた「物(Das Ding)」と1951年8月にダルムシュタットで行われた「建てること、住むこと、考えること(Bauen Wohnen Denken)」は、一対をなす講演になっている。ここでは人間によって作られ、いたわられる物のあり方が取り上げられるが、「物」では瓶(かめ)という身近な道具に即して、「建てること、住むこと、考えること」では橋や家屋といった建物に即して論じられているのが印象的である。そうした身近で具体的な存在者から出発して、徐々に話を展開し、最終的には世界に達する、という『存在と時間』(1927年)にもすでに見られる、ハイデガーの面目躍如と言うべきスリリングな展開を存分に味わうことができる。そうして、具体的な物に凝縮して浮かび上がる「世界」が、天・地・神・人から成る「四方界」として描き出される。
 そして、1953年11月にミュンヘンで行われた「技術とは何だろうか(Die Frage nach der Technik)」は、そのような物と世界の応答関係と対照される形で、モノとヒトのいっさいをひとしなみに物的および人的資源として徴用しながら地球規模での膨張を続ける現代技術のシステムが論じられる。そのシステムは「総かり立て体制」と名づけられ、その歴史的運命からの「救い」が遠望されるに至る。
 大小さまざまな技術の産物に囲まれて生きる現代人にとって、これらの講演で扱われる問題は無関係でないどころか、ますますその切実さを増している。第一級の研究者が作品を選定し、情熱をもって作り上げた新訳の講演は、本書の順序で読み進むことで初めて、ハイデガー技術論の全貌があらわにすることだろう。

内容説明

二〇世紀最大の哲学者マルティン・ハイデガーは、一九五〇年代にテクノロジーをめぐっていくつかの講演を行った。その中から代表的な三篇「物」、「建てること、住むこと、考えること」、「技術とは何だろうか」を新訳で収録する。瓶や橋などの具体的な例から出発し、徐々に深まっていく思考―技術に翻弄される現代に生きる者にとって不可欠の一冊。

目次


建てること、住むこと、考えること
技術とは何だろうか

著者等紹介

ハイデガー,マルティン[ハイデガー,マルティン] [Heidegger,Martin]
1889‐1976年。20世紀を代表するドイツの哲学者

森一郎[モリイチロウ]
1962年生まれ。東北大学教授。専門は、哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

33
物が物の本質として顕現し、四方界のうち死すべき者である人間が物の本質を労わって物との関係を結ぶと、世界と人間の距離は接近することになる。人間と場所との関わりと場所を介した空間との関わりは、住むことによってなされ、建物という物によってなされる。技術とは物の本質を顕現させるあり方の一つである。しかし現代の技術は挑発することによって無理やり顕現させられる「総かり立て体制」ともいうべき性格を持っている。物が対象としてではなく徴用物資としてのみ人間と係わり、人間は自由な本質を放棄する危機に直面している。2020/10/20

ハイポ

14
■『物』『建てること、住むこと、考えること』■構成要素を分解し、共通の要素を抽出する科学的方法のみでは物の本質は隠される。物の本質は、それ自体が相互作用する複数の要素(四方界)を宿らせながら、その要素との関係性のうちで現れる。雑理解だと、要素分解ではなく諸物の関係可能性の広がりのなかに物の本質が現れうるということ。■近さの喪失や住宅難(どちらも人間含む事物が本質的に存在できないこと)に対してどうするか。人間の存在仕方が鍵。暴く思考ではなく、思いを馳せて労うような思考に歩み戻る。2022/09/14

kannkyo

14
ひとまず「技術とは何だろうか(Die Frage nach der Technik)」だけ読了。ハイデガーの主張を要約するとこうだ。技術は材料、意匠、用途及び職人を組み合わせて物を作るというあり方である。人は運命に駆り立てられるように、現代技術を使って自然からエネルギーや材料を搾取する。このとき、技術は定量的手法や論理的思考法を人に与えて、人を不遜で神をも畏れぬようにし、真理から遠ざけた。しかし同時に、その真理そのものに到達する力を人に与えた。その意味で技術は両義的で、危機と希望を人に与えうるのだ。2019/07/21

Ex libris 毒餃子

6
物についての論考は難しいが、その他はハイデガーの入門書をさらっていればわかりやすい。アレントの『活動的生』の製作の要素の理解に助かる。2019/04/27

しゅうこう

5
ハイデガーはこんな講演を行っていたのか。本質とは少し関係ないかもだが、技術者の端くれとして感じるのは、現代では様々なことについて「それは何のためか」とか「本当に必要なのか」といったことが分からないまま、単に効率性や合理性のみを重視し、それらをあたかも価値としてみなして、真の意味での「価値」を見失いつつあるのではないか。これは自分の中ではハイデガーの言う「総駆り立て体制」に他ならないのではないかと思った。ある意味ニヒリズムに陥りつつある現代では、まず自覚し、その状況下でどう生きるかを再考する必要がありそう。2021/12/03

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