内容説明
江戸で「九両泥棒」というものが流行っていた。情報は入るが、盗難届は出ない。「十両以上の盗み」は打ち首、九両なら遠島。ぎりぎりの線を狙った盗賊だ。しかも、盗みに入るのは繁盛している料理屋ばかりらしい。風烈廻り同心の月也は、沙耶と料理屋を開いて囮捜査をすることに…。大好評書下ろし時代小説。
著者等紹介
神楽坂淳[カグラザカアツシ]
1966年広島県生まれ。作家であり漫画原作者。多くの文献に当たって時代考証を重ね、豊富な情報を盛り込んだ作風を持ち味にしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ナイスネイチャ
122
繁盛している料理屋に泥棒する事件が多発し罠を仕掛ける為に料理屋を営む事になった妻の沙耶。今回も捕物帖というより、料理屋を開く迄の過程の話がメイン。2019/04/24
やま
109
うちの旦那が甘ちゃんで3作目 2019.03発行。字の大きさは…小。かいをおうごとに感動が少なくなって行くが面白くていい。特に、沙耶と月也の掛け合いが面白い。 2話からなっていて、1話目の「丼と怪談」は、九両泥棒を捕まえるために、店をわざわざオープンさせて捕まえる。2話目の「美人画と人相書き(前振り)」は、なんか絵師が変だね。次回に続くようである。 なお、毎回書き方を少しづつ変えている様だが、私は、沙耶と月也の掛け合いを多くしてほしい。 次回を楽しみにしています。2019/09/21
nemuro
65
シリーズ第3巻。帯の裏面に「ついに累計17万部突破!」とあって第6巻が最新刊。書店にはすでに9巻まで並んでいたような気もする。肩の力を抜いて軽い感じにサクサクと読めてしまう、そんな「うちの旦那が甘ちゃんで」。ではありながら、江戸の文化・風俗がしっかり描かれていて、そうだったのかと“目から鱗”な場面も少なくない。たとえば今回、武士の雪駄と町人の草履。足袋を履いたり素足だったり、歩き方まで違うらしい。巻末の「主な参考文献」は伊達じゃない。江戸風俗を分かりやすく面白くといえば杉浦日向子だが、神楽坂淳もなかなか。2021/02/04
ぶんこ
61
3巻目は「九両泥棒」のお話。十両を盗むと死罪なので九両までにして、飲食店をターゲットにしている泥棒を捕まえる為に、沙耶さんを中心にした女性軍団が大活躍。大泥棒でもない泥棒を捕まえる為だけに流行るであろうお店を開くとは、なんと太っ腹なことよ。おかげで読む私は美味しそうなレシピを獲得できて嬉しい。お店のレシピではないですが特に「大根煮を翌朝軽く網で炙って胡麻油をかけて食べる」が忘れられず、近々作るでしょう。どの世にも「悪よのう」はいるもので、火盗改めの同心田宮が失脚する展開が痛快でした。2019/11/03
ジュール リブレ
52
今回は、中編1作(+次の中編?のプロローグ)。十両盗めば死罪のところ、料理屋から九両づつ盗む盗賊が。捕まえるための仕掛けが、また大仰な。レギュラーになりつつある深川の面々も、またまた大活躍。楽しいシリーズになってきました。出始めの江戸前寿司が出てきますが、この頃のお寿司、今のコンビニのお握りよりも大きかったみたいですね。切り分けて、二人で食べる姿、なんか愛嬌ありますね。この甘ちゃんな旦那、ほんとに使えないようなのに、案外、人間が大きいのかなぁ。太公望みたいに思えてきました。2019/09/05
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