出版社内容情報
命を狙われる武士とそれを助ける女。男の素性と藩の権力闘争。その先には……表題作「逃亡記」他、名手の筆が光る時代ミステリ六篇。
内容説明
突如、命を狙われた武士とそれを助ける女。男が明かされた自らの素性、隣藩との領地争いと権力闘争…表題作「逃亡記」ほか、南町奉行所を舞台に、左官職人殺しと自首した女の探索をとおし、深川河岸の人々を鮮烈に描く「しじみ河岸」など。市井の人々の息づかい、生き様を活写した、江戸ミステリの名作六篇。
著者等紹介
山本周五郎[ヤマモトシュウゴロウ]
1903年6月22日、山梨県生まれ。本名・清水三十六。1926年、「文藝春秋」に『須磨寺附近』を発表し、文壇デビュー。1932年、雑誌「キング」(講談社)に初の大人向け小説となる『だだら団兵衛』を発表、以降も同誌にたびたび寄稿し、時代小説の分野で認められる。1942年、雑誌「婦人倶楽部」に『日本婦道記』の連載を開始。1943年に同作で直木賞に推されるがこれを辞退、以降すべての賞を辞退した。1967年2月14日、肝炎と心臓衰弱のため仕事場にしていた横浜にある旅館「間門園」で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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じいじ
84
山本周五郎の時代ミステリー小説を6篇、選りすぐった短篇集。市井を舞台に、どれも味わいがあって好いです。周五郎小説は、本筋がしっかり考えられているので安定感がありますが、ウィットに富んだ会話、艶っぽいお色気描写もちりばめられて安らぎもあるので面白いです。私的には、幼なじみの男と女どちらもが、伴侶を病死で失い再婚を…。粋で甘い二人の会話に翻弄される…現代風時代小説の【改訂御定法】が好きです。2020/12/04
Syo
24
いいですねぇ2022/10/27
Kira
20
図書館本。ミステリ色のある短編を六篇収録。謎解きのようなものもあればサスペンスもありで、バラエティ豊かだった。他の短編集に入っていればミステリ色に気づかなくても、こうしてミステリ傑作選として編集されると、なるほどと思う。昔は探偵小説と呼ばれていたのね。2024/07/04
ジュール
10
久しぶりの山本周五郎。表題作の「逃亡記」は少し現実離れしたおかしさ。「枕を三度たたいた」秀逸。政争を引き起こさないよう頭が少し狂った風を装った林之介。片方の一派を倒しても新たな争いがおこるだけ。人に蔑まれながらも耐えて偉い。 2022/10/31
tomoka
8
「改訂御定法」の直衛と佳奈の会話がウィットに富んでいて面白かった。2019/04/25
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