壺中に天あり獣あり

個数:
電子版価格
¥1,672
  • 電子版あり

壺中に天あり獣あり

  • 提携先に2冊在庫がございます。(2025年06月17日 09時58分現在)
    通常、5~7日程度で出荷されます。
    ※納期遅延や、在庫切れで解約させていただく場合もございます。
    ※1回のご注文は10冊までとなります
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷予定日】
    通常、5~7日程度で出荷されます。

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ B6判/ページ数 194p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784065147665
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

無限の迷宮を彷徨い続ける青年・光。どんなに歩いても、螺旋階段が上下に伸び、廊下が一直線に続くばかりだ。

迷宮からの脱出を断念し、酒に沈んでいた光だったが、ある時、迷宮の中に有限のホテルが建っているのを発見する。光は支配人として従業員を雇い、客を呼び込むポスターを貼るため、再び迷宮へと足を踏み入れる。

迷宮の中でブリキの動物を磨き、修理しながら玩具屋で働く女性・言海は、ポスターを見て、ひとりホテルを目指すことを決意する――。

人は生まれ落ちた迷宮から、外に出ることができるのか。言葉を紡ぎ、世界を作り出すとは、どういうことなのか。創作という行為の根源を問い直す、若き才能による大胆で緻密な野間文芸新人賞受賞後第一作。

内容説明

言葉を紡ぎ、世界を作り出すとは、どういうことなのか。無限の迷宮を彷徨い続ける青年・光。どんなに歩いても、螺旋階段が上下に伸び、廊下が一直線に続くばかりだ。ある時、迷宮の中にホテルが建っているのを発見した光は、その支配人となり、客を呼び込むポスターを貼るため、再び迷宮へと足を踏み入れる。迷宮の中の玩具屋で働く女性・言海は、ポスターを見て、ブリキの動物たちを連れてホテルを目指す―。若き才能による大胆で緻密な野間文芸新人賞受賞後第一作。

著者等紹介

金子薫[カネコカオル]
1990年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学文学部仏文学専攻卒業、同大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。2014年「アルタッドに捧ぐ」で第51回文藝賞を受賞しデビュー。2018年、第11回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。同年、『双子は驢馬に跨がって』で第40回野間文芸新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みも

203
博覧強記かつ頭脳明晰・沈思黙考…そんな著者の像を勝手に描く。才能ある方なのだろう。しかしながら僕には、その真意を汲み取る能力がないようだ。タイトルは「後漢書」からか。迷宮の彷徨の後、偽装の安住を喜ぶ主人公は、壺の中で束の間の酒宴に昂ずる男と同義であろうか。登場人物名に意味があるのだろうが、仏教教義「八大人覚」と名付けた寓意は僕には解からず。その意味では主人公「光」獣玩具技師「言海」の名前にも深意があり、二人はある種「対」を成すのだろう。この中に人生訓話を読み取る事も可能だが、いずれにしても超観念的で難解。2020/09/05

jam

100
人はどこから来て、どこへ行くのか。私たちの存在の根源は何なのか。迷宮は、その問いそのものであり、果ての無い壺中にあった。宗教も科学も物理も文学も、道筋が違うだけで等しくその答えを求めてやまない。それは、一縷の希望にすがり、片鱗を積み上げ瓦解を繰り返す、絶望しながらも進む人の姿そのものである。与えられたものか、生まれたものか。迷宮を生きる人間を俯瞰するのは神の視点なのだろうか。祈りは、永遠の不確かさ故に捧げられ、人は幸福を求めるのか。寓意の物語に意味を持たせるのはひとりひとりであるから、正解は無い。2019/05/27

(C17H26O4)

74
無限の迷宮を彷徨うのか、作り物の天地を受け入れるのか。狂気なのか、悟りなのか。中の外は中。外の外は中。この物語に寓意はあるのか。八大人覚の法門と取るか。光という名前の意味は。浮かんだ言葉は時灯明、法灯明。光は涅槃への修行に向かったのか。読み取ろうと探るわたしは言葉によって造られた迷宮、壺の中。2019/05/05

mii22.

67
意地の悪い寓話に幽閉されていると思い、蝶となって高く飛ぼうと望んだ主人公「光」だが、やっと見つけた迷宮の出口は新たな迷宮の入口であり、それらすべては誰かに創られた壺中にすぎなかった。壺の外には出ることができるのか、またそこには何があるのか、私にもわからない。ではその壺はいったい誰によって創られたのか、それは自分の心の空洞かもしれないし、あるいは..ただ言えるのは、どんなに居心地のよい場所を創ろうとも贋の世界ではやがて色褪せ魅力のないもになり、その先に未来がないことに気づくだろう。2019/06/07

らぱん

59
すごく面白い。新しさを感じた。 主人公は無限の迷宮であるホテルに幽閉されているのだが、無限も迷宮も比喩であると冒頭で明言してしまう。自身が「譬えを完成させるべく幽閉されて」おり、虚構の人物としての「役割」を自覚している。彼は迷宮が自分の存在なくして迷宮たり得ないとまで知っている。 我々はどこからきてどこへ行くのか。命題に解は無いという解を提示する。創造と破壊を繰り返し、道に迷い続け、問い続ける。 潔い葛藤の無さに痺れて、諦念とも違う感覚を味わい、新鮮な驚きをもって没入した。…ファンになりそうだ。↓2020/08/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13519880
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品