内容説明
世界的に有名な京都・伏見稲荷大社の千本鳥居に吊された四人の遺体。狐憑きの家筋である樒祈美子は、お山の気の歪みを感じて巡拝するが、千本鳥居が次々と倒れはじめる。鳴り止まぬ雷鳴のなか、稲荷山へ入ろうとする辻曲彩音らを狐たちが襲う。「お稲荷さん」と狐はなぜ縁が深いのか?稲荷神の正体は?
著者等紹介
高田崇史[タカダタカフミ]
昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒業。『QED 百人一首の呪』で、第9回メフィスト賞を受賞し、デビュー。歴史ミステリを精力的に書きつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とも
26
★★★★今回は伏見稲荷が舞台。全国稲荷の総本山で狐信仰として、また最近では千本鳥居で世界的観光地にもなった地元の名勝で、右も左も知った気になったつもりであったがとんでもない。また積年理解できずにいた稲荷という呼称の由来も明確に提示され、疑念が氷解されてすっきりした。2019/05/20
さばかん
24
三大人生で一度は行ってみたい神社のうちのひとつであるところの伏見稲荷大社。 十種の神宝集めが捗ってまいりましたね。 一度は行ってみたいなぁ伏見稲荷。2019/04/29
ち~
23
シリーズ⑥東京へ帰る途中、立ち寄った京都で再び不穏な空気が流れる中、伏見稲荷大社の鳥居に、4人の遺体が吊るされているのを発見される。そして、ドミノ倒しのように次々と倒壊する千本鳥居。『「お稲荷さん=狐」は大いなる勘違い!?』の帯が付いた今作。お稲荷さんの正体と狐との関係、そして注連縄などに飾る垂の本当の意味に驚きの連続。今回は長男が全く出番なし。だが、神器2つゲットで大きく進展した。2022/10/15
かつおさん
17
確かに磯笛や高村皇が言うことにも一理ある。それこそ神をも恐れぬ土地開発、自然破壊、先祖や自然(=八百万の神)への崇敬を忘れてしまった現代人。最近、町に猪や猿や熊などが出没し大騒ぎするけれど、これぞ磯笛の言う通り人間のエゴ以外の何物でもない。伏見稲荷大社の起源を辿ると製鉄が根底にあり、それに秦氏説と荷田氏説+空海が絡まり、鋳成りが稲荷に繋がってきた、というところかな。辻曲家と高村皇の戦い、摩季の行末もきになるけど、歴史推理が面白い🤣2021/03/20
LUNE MER
16
今回は伏見稲荷がテーマだが、なぜお稲荷様といえば狐なのか?というおそらく多くの人が疑問とも思っていない謎に対する解答が提示されるので、ストーリーそのものの好き嫌いは分かれるとしても、読み甲斐のある一冊だと思う。ちなみに個人的にはどん兵衛きつねよりも、玉子と七味もついている赤いきつねの方が好き。日清製粉も同グループにある麺が売りのどん兵衛と東洋水産の名に恥じずかつお節、昆布といった海の幸の強みを活かしたお汁が売りの赤いきつね。🦊2020/08/19