出版社内容情報
1998年講談社刊『古今和歌集全評釈』を文庫判で完全再現。巻第七から第十五まで(賀、離別、羇旅、物名、恋)を収録。「古い和歌(=万葉集に入らない古い歌)」と「今の和歌」を集めた『古今和歌集』。「万葉集」以後、漢詩が主流となっていたわが国において和歌の再興を宣すべく、醍醐天皇の勅命により編纂された、最初の勅撰和歌集である。大部分の成立は延喜5年(905)4月18日、紀友則、紀貫之、凡河内躬恒、壬生忠岑の撰による。撰者や六歌仙の作をはじめ、約1200首を収録。季節の歌、恋愛、別れ、怒りなど多種多様な収録歌は深い抒情と巧みな技法に溢れ、初の本格的な歌論とされる「仮名序」を含めて成立以来さまざまな解釈を喚起し、議論を呼び、後代の学芸に大きな影響を与え続けている。
冷泉家時雨亭文庫所蔵、嘉禄二年書写の藤原定家自筆本を底本とする、1998年講談社刊『古今和歌集全評釈』を文庫判で完全再現。詳細な通釈・語釈に、緻密な校異、さらに訳者の鑑賞・評論を加え、「古今」を楽しむうえで最高の手引き書となっている。
巻第七から第十五まで(賀、離別、羇旅、物名、恋)を収録。
わが君は千世に八千世にさざれ石の巌と成りて苔のむすまで(よみ人しらず)
結ぶ手のしづくに濁る山の井のあかでも人に別れぬるかな――紀貫之
春日野の雪間を分けて生ひ出でくる草のはつかに見えし君はも――壬生忠岑
うたた寝に恋しき人を見てしより夢てふ物はたのみそめてき――小野小町
(全3巻)
片桐 洋一[カタギリ ヨウイチ]
著・文・その他
内容説明
初の勅撰和歌集は、万葉集以後の「古い」歌と、撰者たちが生きる「今」の歌を集めたものゆえ「古今和歌集」と名づけられた。在原業平ら「六歌仙」から名もなきよみ人たちまで、古の日本人による深い抒情と繊細な技巧は、いまも昔も心の機微が変わらぬことを伝えてくれる。巻第七から巻第十五まで(「賀」「離別」「羇旅」「物名」「恋」)を収録。(全三巻)。
目次
巻第7 賀歌
巻第8 離別歌
巻第9 羇旅歌
巻第10 物名
巻第11 恋歌一
巻第12 恋歌二
巻第13 恋歌三
巻第14 恋歌四
巻第15 恋歌五
著者等紹介
片桐洋一[カタギリヨウイチ]
1931年大阪市生まれ。京都大学文学部卒業、同大学大学院博士課程単位修得。専攻は中古文学。大阪女子大学学長、関西大学教授。現在、大阪女子大学名誉教授。文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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