出版社内容情報
戦時下の人々はどう生きたか?
飛行機乗りに憧れる青年。婚約者を待つ鈴子。八重子とクロにも戦争の影が忍びよる。
<監修者のことば>
この巻では、昭和という激動の時代のなかでも、
わたしたちが決して忘れてはならない戦争の時代を描いています。
まず、読みはじめる前に、次のことをぜひ考えてみてください。
なぜ日本は戦争への道を歩んでしまったのでしょうか。
絶えず問われてきたこの問いにみなさんはどう答えるでしょうか。
満洲事変にはじまる日本の戦争への道は、国際的な孤立を深め、
日中戦争、そしてアジア・太平洋戦争の開戦へと発展し、
内外に膨大な犠牲者をだしたすえに、敗戦に至りました。
戦争をはじめるのは簡単だが終えることは難しいとよくいわれますが、
国策を決定した政治家や軍人、そして天皇は、なぜ戦争という決断をしたのでしょうか。
そして人々は戦争への道をどのように受けとめたのでしょうか。
世界の国々との関係はどのようにして悪化し、戦争へとつながってしまったのでしょうか。
敗戦から七十数年経ち、戦争の記憶が薄らぎつつある今、
改めて昭和の戦争がいかなるものであったのかを本巻を通して、
ふりかえってほしいと思います。