講談社学術文庫<br> 靖献遺言

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講談社学術文庫
靖献遺言

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  • サイズ 文庫判/ページ数 560p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065140277
  • NDC分類 121.54
  • Cコード C0122

出版社内容情報

「殺されるとわかっていても、君命である以上、避くべきところはない」――吉田松陰、橋本景岳ら志士に忠君の精神を刻んだ魂の書。「この書を獄中、声をあげて誦読し、傍らに人なきがごとくであった――」
吉田松陰がこう語ったとされる「靖献遺言」は、諸葛孔明、顔真卿ら中国の忠孝義烈8人の遺文や伝記を記した思想書である。「君の御為には一身を捧げ奉らねば」と大義のために身を捨てる思想を、忠臣達の具体的な事蹟により説く。成立は貞享四年(1687)、山崎闇斎門下の儒学者・浅見絅斎の手になる。幕末には松陰のほか橋本景岳、梅田雲浜らに強く影響し、尊攘思想を掲げて維新へと突っ走る志士必読の「教科書」となった。その後も大日本帝国において広く深く読み継がれたが、敗戦を機にその思想故遠ざけられ、半ば忘れられた存在となってゆく。
現代において崎門学正統派を継ぐ近藤啓吾が、その現代語訳と語釈、さらに成立の背景、特色、絅斎の評伝を加えて纏めた近藤著『靖献遺言講義』は、「靖献遺言」理解に欠かせない決定版として君臨している。本書は、皇學館大学の松本丘が現代の読者に向け、再編集を施したものである。
(原本:近藤啓吾『靖献遺言講義』国書刊行会、1987年)


浅見 絅斎[アサミ ケイサイ]
著・文・その他

近藤 啓吾[コンドウ ケイゴ]
著・文・その他

内容説明

山崎闇斎学派の朱子学者・浅見絅斎は、貞享四年(一六八七)、諸葛亮、文天祥ら中国の忠臣義士八人の遺文と評論をまとめて『靖献遺言』として編纂。道義に拠って屈せず、君命とあらば命も惜しまぬ強烈な在り方を伝え、とりわけ吉田松陰、橋本景岳ら勤皇志士の思想形成に多大な影響を与えた。現代語訳と解説を付した、深く理解するために最適の書。

目次

巻の1 屈平
巻の2 諸葛亮
巻の3 陶潜
巻の4 顔真卿
巻の5 文天祥
巻の6 謝枋得
巻の7 劉因
巻の8 方孝孺

著者等紹介

浅見絅斎[アサミケイサイ]
1652~1712。江戸時代の儒学者。名は安生、通称は重次郎。近江の人。山崎闇斎に師事し、生涯仕えず、京都にて講学に努めた

近藤啓吾[コンドウケイゴ]
1921年生、静岡県出身。大東文化学院高等科卒業。金沢工業大学教授等を歴任。2017年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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きさらぎ

7
諸葛亮、文天祥、陶淵明、顔真卿、方孝孺ら8人の中国の忠臣についての伝記・彼ら自身の遺文・絅斎による評からなる『靖献遺言』の訓読・口語訳に、著者による詳細な注、更に評論がつく。注の分量が膨大で、しかも絅斎や強斎ら崎門の講義録を引いているので読み通すのにかなり骨が折れるが、江戸幕末の思想を学ぶには勉強になるとは思う。だが籠城の際に飢えた兵士に愛妾の肉を食わせたとか、二君に仕えずと主張し本人磔はやむなしとしても妻子親兄弟門人、計847人を殺されたとか、現代の感覚ではそれ賞賛するのか…という気分にならなくもない。2019/04/13

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