出版社内容情報
新人女性弁護士・松岡千紗が自分を誘拐したかもしれない殺人犯の再審無罪を求める。『雪冤』の著者が、冤罪の悲劇と罪の本質を問う!21年前の少女誘拐殺人事件の冤罪再審裁判に抜擢された期待の女性弁護士・松岡千紗。しかし、千紗はその事件で監禁された少女の一人だった。間一髪で自分を殺めたかも知れない容疑者に千紗は敢然と対峙する。罪を作り出す罪「冤罪」法廷が迎える衝撃の結末。大ベストセラー『雪冤』を超える慟哭の「冤罪」ミステリー。(文庫書下ろし)
本当の“無罪”とはいったい何か? 報道では知りえない冤罪の理不尽に涙を禁じ得ない。 ―ときわ書房本店 宇田川拓也
大門 剛明[ダイモン タケアキ]
著・文・その他
内容説明
21年前の少女誘拐殺人事件の冤罪再審裁判に抜擢された期待の女性弁護士・松岡千紗。しかし、千紗はその事件で監禁された少女の一人だった。間一髪で自分を殺めたかも知れない容疑者に千紗は敢然と対峙する。罪を作り出す罪、「冤罪」法廷が迎える衝撃の結末。大ベストセラー『雪冤』を超える傑作。
著者等紹介
大門剛明[ダイモンタケアキ]
1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒業。第29回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞した『雪冤』で2009年にデビュー、ドラマ化される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんたろー
226
大門さん4冊目。若い弁護士・千紗が21年前の誘拐殺人事件の冤罪再審裁判に臨むミステリ…同事件で自身も誘拐されたが運良く逃げ出せた千紗がトラウマに悩まされながら執念で真相を追う展開は、千紗と一緒に疑心暗鬼になりながら読む手が止まらなかった。犯人とされた・平山、担当した刑事・有森と今井、千紗の上司弁護士・真山、仲間の弁護士・熊など、人物設定も巧く作られていて人間ドラマとしても面白い。『雪冤』で冤罪の恐ろしさを見事に描いた筆者が、似たテーマでありながら、趣を変えた哀しくも熱い力作に仕上げた筆力に拍手を送りたい。2019/05/30
いつでも母さん
225
『無罪は無実ではない。慟哭の「冤罪」ミステリー』この帯が堪らない!大門作家、巧し!レビューなどいらない。とにかく面白かった。一気読み必至です。相変わらず犯人探しはハズレの私でしたが、幼い子を持つ親なら気になる事件でしょう。加害者家族の悲哀も有りました。勿論、被害者家族の終りなど無い苦しみ憤りには言葉もなく、被害者の抱えるトラウマは遣る瀬無い思いでした。冤罪を取り巻くマスコミや世間の怖ろしさも有りました。誰もが何かの『怪物』に成り得るのだと思うとぞっとしました。そこの貴方も是非!お薦めです。2019/02/22
茜
200
淡々と読み進めてしまいました。あまり私には合わなかった気がします。他の方は面白いとかどんでん返しがとか書いてあったけれど私はそれに気が付かず。。。寝る前に読んでいたのが悪かったかもしれません。勿体ないことをしてしまいました。2020/02/06
あきら
160
清水潔氏の「殺人犯はそこにいる」を読んだ後に読んだ本。 とても近しい設定、ストーリーだったけど、本書の救いはフィクションであること。 故にすらすらと一気に読めました。 設定も登場人物も複雑でないため、没頭できる物語だと思います。2021/02/20
ごみごみ
144
少女誘拐殺人犯の再審請求。正義という名の罪。決めつけによって歪んだ真実。しかし冤罪を証明しただけでは終わらない。再審で無罪になっても真犯人が出てこない限り、その人はずっと危険人物のまま。そうか「無実」と「無罪」は違うんだ。怒りよりも哀しい真実が明らかになっていく。後半は一気読み。2019/05/06