出版社内容情報
進学校で落ちこぼれ公立中学に転校した和真と、働けない母と生活保護を受けて生きる樹希。立ちはだかる貧困。それでも為す術はある!【対象:小学校高学年以上】
児童文学作家、ひこ・田中氏がイッキ読み! 「『貧乏なのはそいつの責任』なんて蹴っ飛ばし、権利を守るため、地道に情報を集める二人。うん。痛快だ。」
小さなころから、勉強だけは得意だった山之内和真は、必死の受験勉強の末、有名進学校である「蒼洋中学」に合格するが、トップレベルの生徒たちとの埋めようもない能力の差を見せつけられ、中三になって公立中学への転校を余儀なくされた。
ちっちゃいころからタフな女の子だった佐野樹希は、小五のとき、パパを事故で亡くした。残された母のお腹には新しい命が宿っていた。いまは母と妹と三人、生活保護を受けて暮らしている。
ふとしたきっかけで顔を出すようになった『カフェ・居場所』で互いの生活環境を知る二人。和真は「生活レベルが低い人たちが苦手だ」と樹希に苦手意識を持ち、樹希は「恵まれた家で育ってきたくせに」と、和真が見せる甘さを許せない。
中学生の前に立ちはだかる「貧困」というリアルに、彼ら自身が解決のために動けることはないのだろうか。
講談社児童文学新人賞出身作家が、中三の少年と少女とともに、手探りで探し当てた一筋の光。それは、生易しくはないけれど、たしかな手応えをもっていた――。
十二歳の春
おなじく十二歳の春
1.挫折〈山之内和真〉
2.苛立ち〈佐野樹希〉
3.衝撃〈山之内和真〉
4.忍耐〈佐野樹希〉
5.哀れみ〈山之内和真〉
6.羨望〈佐野樹希〉
7.逃避〈山之内和真〉
8.共鳴〈佐野樹希〉
9.落胆〈山之内和真〉
10.探究〈山之内和真〉
11.希望〈佐野樹希〉
12.喪失〈山之内和真〉
13.不安〈佐野樹希〉
14.脱出〈佐野樹希〉
15.旅立ち〈山之内和真〉
安田 夏菜[ヤスダ カナ]
著・文・その他
内容説明
貧しさは、あきらめる理由になんてならない。有名進学校の授業についていけず、公立中学に転校した少年。父を事故で亡くし、母と妹と三人、生活保護を受けて暮らす少女。少年は「生活レベルが低い人」と少女に苦手意識を持ち、少女は「恵まれた家で育ってきたくせに」と少年の甘えを許せない。そんな反目する二人が直面する、「貧しさゆえに機会を奪われる」ことの不条理。中三の少女と少年は、いかにして「貧困」に立ち向かうのか。
著者等紹介
安田夏菜[ヤスダカナ]
兵庫県西宮市生まれ。大阪教育大学卒業。『あしたも、さんかく』で第54回講談社児童文学新人賞に佳作入選(出版にあたり『あしたも、さんかく毎日が落語日和』と改題)。第5回上方落語台本募集で入賞した創作落語が天満天神繁昌亭にて口演される。日本児童文学者協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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