出版社内容情報
雪舟から等伯、光琳、若冲、大観まで、24人の画家と180点の名作。甘く優しい味わいをもった日本の「墨絵」はいかに生まれたか。雪舟から横山大観まで、日本の代表的な水墨画家24人の生涯と代表作を紹介しながら、中国に生まれた水墨画が、日本に根付き発展してきた道筋をたどる。
水墨画は、中国の唐代に興った革新的な画法で、日本には鎌倉時代になってはじめて本格的に紹介された。その消化と創造的な発展には長い年月が費やされてきたが、著者によれば、「日本人の描く水墨画は、本場中国のそれとはおのずから姿や質を変えるものとなっている。」「水墨画の日本化の営みをたどることによって、日本文化そのものの特質にまで迫り得るように思われる。」という。
室町時代に中国に渡り、不変実在の山水を追った雪舟等揚。豪気・勇壮な作風で知られる一方、聚光院の花鳥図襖など生気あふれる墨絵も残した桃山絵画の巨匠、狩野永徳。近年の研究で「下絵の名画」とされる松林図屏風の長谷川等伯。尾形光琳の艶やかな墨、伊藤若冲の独創の奇技、さらに曽我蕭白、與謝蕪村、渡辺崋山、富岡鉄斎・・・「モノクローム絵画」の達人たちが残した約180点の名品を掲載。
日本美術史研究の第一人者が、狭い専門の枠から踏み出して、個人的な好みと私見を率直に語る画人列伝。[原本:『墨絵の譜――日本の水墨画家たち』1・2巻 ぺりかん社 1991年・1992年刊]
小林 忠[コバヤシ タダシ]
著・文・その他
内容説明
唐代の中国で生まれた水墨画は日本で創造的に発展し、甘く柔らかな味わいをもつ独自の「墨絵」となった。不変実在の山水を追った雪舟等楊、生気あふれる桃山絵画の巨匠・狩野永徳、「松林図屏風」の長谷川等伯。尾形光琳の艶やかな墨、伊藤若冲の奇技、さらに曽我蕭白、與謝蕪村、横山大観など、水墨表現に新たな道を拓いた二四人の名品一七七点を堪能。
目次
雪舟等楊―不変実在の山水を追って
黙菴霊淵―本朝最初の水墨画家
玉〓梵芳―日本文人画の祖
天章周文―心絵の名匠
相阿弥―“和漢の境をまぎらかす”
雪村周継―戦国の世の絵筆もつ豪傑
狩野永徳―質画の奇妙
長谷川等伯―桃山の風雲児
海北友松―豪気と抒情
狩野探幽―水墨の“仮名”化
俵屋宗達―おだやかな目と優しい手
尾形光琳―艶やかな墨
円山応挙―形似から写意へ
伊藤若冲―独創の奇抜
曽我蕭白―反俗の奇矯
長沢蘆雪―気の良いお茶目
池大雅―外光の下での制作
與謝蕪村―俳諧の絵画
浦上玉堂―東洋のゴッホ
谷文晁―〓墨の巨匠
渡辺崋山―勇断果決の武人画家
富岡鉄斎―古くて新しく、老いて若々しく
速水御舟―清冽の美麗
横山大観―日本水墨画の決算
著者等紹介
小林忠[コバヤシタダシ]
1941年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。日本近世絵画史専攻。名古屋大学助教授、東京国立博物館情報調査研究室長、学習院大学教授、千葉市美術館館長を経て、現在、岡田美術館館長、学習院大学名誉教授、「國華」主幹、国際浮世絵学会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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