- ホーム
- > 和書
- > コミック
- > 青年(一般)
- > 講談社 イブニングKC
出版社内容情報
「よろこびのうた」で超高齢社会・日本の課題を照射したウチヤマユージの新作。「ボーイ・ミーツ・老婆」で、どっちもワケアリ。嵐の夜、山道に迷った男は廃屋で一夜を明かす。しかし廃屋と思われたその家には老婆が独りで住んでいた。さらにその家は「よくぞこれだけ!」と思われるほどのゴミに溢れたゴミ屋敷であった。行き場のない男と、どこへも行けない老婆。ワケアリの二人の孤独な魂が共鳴し……。前作「よろこびのうた」では実際にあった事件を題材に日本の問題をあぶりだしたウチヤマユージが、今作でもまた人の心の暗部を優しく掬い、そして救う。
ウチヤマ ユージ[ウチヤマ ユージ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チャリー・コグコグ
12
ゴミ屋敷の老婆が主人公の1人。もう1人は若者。2人の微妙な交流がキモ。この作家の作品は今の社会問題を直視させられ気持ちを重たくさせられた後に、問題の根本解決なしでラストでほんの少しの救いを提示するところが上手い。最近マンガ読まなくなったけど、絵も下手くそだけど、この作家は侮れません。2019/11/22
amow
3
主人公がなりゆきで見知らぬ婆さまのゴミ屋敷を掃除することになる、ハートフル…ハートフルな何か。小劇場でやってる邦画のような噺。さっくり読めば大した起伏もなく読み終わるが、じっくり読むと余白が広がる。婆さまが暮らしてきた歳月が話の核心なんだけど、それも回想を2,3回ほど見せて終わり。主人公にも説明しない。でもなんとなく伝わる。セリフや行動の1つで端的にキャラを表すのが抜群にうまいと思う。例えるならソナーみたいなもので、音源そのものより残響からはるか遠くのできごとを想像して楽しむほうに重点がある。良い本だ。2018/12/11
tban
2
上質のミステリーのように 深く人間観察の行き届いた作品。誇張しすぎず、 わめかず、暴れないが、人間の奥底をしっかりと見つめ ちょっとした擦れ違いが不幸を呼ぶさまを淡々と シニカルに、そしてユーモアで読み切らせてくれる。 回収し損ねた伏線もあるが、読後感がそれを上回る 心地よさ。良作です。2018/11/15
明るい果物
1
好きな感じの漫画だった。なぜあのお婆さんはゴミ屋敷にしたのか、最後主人公は分かったような話をしていたけど、あれは何だろう、寂しさを紛らわすためだったのかなあ。分からないなあ。解説をお願いしたい…。何処かで見た絵柄な気がするけど、どこだろう。2018/11/29
たろよめ
0
新聞書評で気になってた本。綺麗にまとまっていて一気に読んでしまったが読後感は良い。多くを敢えて説明しないからこそお婆さんの苦悩がにじみ出てくる感じ。関係が冷え切っている息子たちにも、最後に世話になった他人にも平等にチャンスを与えるところが好き。2019/05/25
-
- 和書
- 法学のお作法