出版社内容情報
嶽神伝シリーズの真骨頂。山の民〈南稜七ツ家〉の二ツの物語。戦国の闇を舞台に縦横無尽にくり拡げられる長篇時代小説の傑作!山の民〈南稜七ツ家〉の二ツは、秀吉軍に敗色濃厚な柴田勝家より、御方様を城より無事助けるよう、依頼を受けた。それは、二ツと秀吉を守る森の民・錣一族及び謎の老婆久米との、長く壮絶な戦いの幕開けであった。「荒唐にして無稽、しかしながら息もつがせぬ興奮の連続、こは山田風太郎奇跡の復活か」と、浅田次郎氏絶賛の、戦国の闇を舞台に縦横無尽にくり拡げられる長篇時代小説の傑作。
長谷川 卓[ハセガワ タク]
著・文・その他
内容説明
天下人・豊臣秀吉の暗き出自は、闇に葬りさられようとしていた。出自の謎を追う北条幻庵率いる“風魔”と山の民“南稜七ツ家”の二ツは、秀吉を守る錣一族と血で血を洗う死闘を繰り広げる。戦国乱世を縦横無尽に飛び回る痛快活劇巨編。『血路』に続き、徹底的な加筆修正をし、血湧き肉躍る決定版として再登場。
著者等紹介
長谷川卓[ハセガワタク]
1949年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科演劇専攻修士課程修了。’80年、「昼と夜」で第23回群像新人文学賞受賞。2000年、『血路 南稜七ツ家秘録』(改題)で第2回角川春樹小説賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YONDA
8
嶽神シリーズ最終巻。嶽神・無坂から二ツへと話は移り、秀吉こと日吉との良き思い出が因縁へとなり、新たな敵である錣一族と七ツ家の戦いが始まる。風魔が壊滅的なダメージを受け、幻庵の娘である空木も死んでしまったが、その敵を取った二ツ。北条氏滅亡で話は終わるので、作者が存命ならば確実に伊達と二ツ・千太との関わりが読めたはず。山の者を主人公とした嶽神シリーズは、忍者ものとはまた違った面白さ、人と人との絆を描いた作品であった。2024/07/17
蕭白
6
二ツの老年期の活躍のお話。面白いシリーズに出会えたことを嬉しく思います。2019/01/03
woo
5
取り敢えず既刊の最終巻読破✌️ ただこの上巻に当たる「血路」では20代だった二ツ(ふたつ)がここではイキナリ60代になってるのが???だが、これは作者の意図的なものでここでシリーズ終焉となってもいい様にとの事らしい😅どうもこの間を埋める続編が構想中らしいので紛らわしいが…許す(笑) この巻末で作者自身による本シリーズ時代順の解説が! 1.嶽神伝 血路 2.嶽神伝 無坂 3.嶽神列伝 逆渡り 4. 嶽神伝 孤猿 5. 獄神伝 鬼哭 6. 獄神伝 4(仮題) 7. 嶽神(蛇塚の多十)8. 嶽神伝 死地 2019/06/25
すいそ・はいどろ
4
ミラクルな忍術を使う訳でなく、生身で戦う二ツ。題名通り死地をくぐり抜けていく姿はダイナミックで飽きさせない。一気読みでした。2019/04/10
ゆうこ
4
秀吉の出生を巡る秘密。暴かれまいと知るものを皆殺しにしようとすると錣一族、毒を自在に操る老婆。一方、若い頃に北条に関わったが為に、50を過ぎてなお、戦に巻き込まれていく二ツ。地を血で洗うような戦いの中でも、少し和ませるのは、成長していく千太、北条幻庵の娘、空木。お互い悲しい過去を持ちながら、前を向き生きることを楽しんでいるようにも見える。二ツと千太が生き残ったことが救いとはいえ、幻庵が好きだった私としては少し寂しい気がしました。 南陵七ツ屋のシリーズが復刊されて読めたこと、とても嬉しく思います。2019/01/06