出版社内容情報
深い深い奥行きをたたえた「超越者」羽生善治の言葉に、なぜ人は癒しを感じるのか――珠玉のインタビュー・ノンフィクション。「将棋に闘争心は要らない、と思っています」「自分の役割? ないですよ。役割はないです」「最後は自我の強さ、欲の強さが大事なのかな、と」「人並みに欲はあります…ノンビリしたいとか(笑)」深い深い奥行きをたたえた「超越者」の言葉に、なぜ人は癒しを感じるのか――珠玉のインタビュー・ノンフィクション。
高川 武将[タカガワ タケユキ]
著・文・その他
内容説明
熱血ライターと天才棋士が共鳴した珠玉のインタビュー・ノンフィクション七番勝負。苦渋の竜王戦敗退から永世七冠達成まで、7年超の長期取材を敢行!
目次
序章 7年目のカプチーノ
第1局 私、完璧主義じゃないんです
第2局 闘うものは何もない
第3局 勝ちに行くとき、隙が生まれる
第4局 考えてもしようがないっしょ
第5局 コンピュータにできるなら人間だって
第6局 人間に役割なんてあるんですか?
第7局 忘れることが大事です
終章 死ぬまで?そういうものですよね
著者等紹介
高川武将[タカガワタケユキ]
1966年、東京都大田区生まれ。早稲田大学卒業後、新聞社、出版社を経て、フリーランスのルポライターとして独立。月刊誌、週刊誌などで、主に人生と闘うアスリートを題材にした骨太のノンフィクションを多数執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タナカ電子出版
40
この本の内容は半分が羽生善治先生のインタビューで残り半分が5人の棋士と桜井章一さんのインタビューです。将棋ファンにおすすめですが、色んな読者に読んで欲しい本です。この本の中身は羽生先生の今の姿がとても反映されている内容でした。私が特に面白かったのは桜井章一さんへのインタビューでした。実は40代の頃に羽生先生が会いに行ったらしく面識があったらしいです。そして羽生先生は桜井さんに麻雀の今までの名局は?…と質問しました!この内容 良かったので興味あったら読んでください!2019/02/09
mincharos
35
話の流れで上司に借りて。将棋は「三月のライオン」と「聖の青春」を読んだくらいで、羽生さんのこともほとんど知らないのに、なんでこんな本読んでるんだろー?と思いながらも、借りた以上は!!とがんばって読んだ。将棋の世界がコンピューターソフトの普及により変わってきていること。羽生さんの言う「テンションが低い日も当然ある。そういう日は諦める」だったり、未来に向かって確固たる理想や目標を持って進むのではなく、まずは目の前の現実(やるべきこと)に順応してこなしていくという考え方がストンと入ってきた。お礼状の大事さもね!2018/11/21
Isamash
30
アスリート中心のルポライター高川武将氏の2018年発行著作。2010〜2018年8回に渡る羽生善治との対話録。考えても答えが無いものは意識的に深く考えない様にする。相手に勝つことを意識し闘志を漲らせると逆説的だが勝てないので盤面に集中し、より良い指し手を目指す。やる気や好不調に波が有るのは必然なので無理にそれに抗わず最悪時でも淡々と出来ることをする。攻撃仕掛ける際に一番隙が出るのでそこでのカウンター狙いの手渡しを意識的に行ってる、常にモデルチャンジ実施してる、等イチローの考え方とも類似性有り興味深かった。2022/02/27
緋莢
21
2010年から2017年までに行われた羽生善治へのインタビューと、渡辺明、久保利明、谷川浩司、桜井章一、島朗、森内俊之らへのインタビューを収録。それを元に書かれたノンフィクションです。七冠制覇前後の「将棋と人生は関係ない」、「将棋は理論で割り切れる技術のゲーム」という発言は「甘えになるから」、「将棋が強くなるには人生経験が必要」というのは逆に遊びを正当化する言い訳にもなる、という意味だったなど(続く2019/01/08
たらお
17
2023/01現在、藤井聡太王将に羽生善治九段が挑戦する王将戦。羽生さんも52歳になるのだ。記憶力や体力が衰えていく中でどう戦うのか我々は応援している。あらがってほしいと思う。そんな羽生さんへ足掛け9年間インタビューに関わった著者による本。本人だけでなく島朗、森内俊之などからも話を聞いていることから、多角的に羽生さんの将棋への向き合い方を知ることが出来る。勝ちだけにこだわらず長期的な視点をもって、あえて可能性を秘めた手を打つ。じゃないと煮詰まってしまうと確かに思う。研究熱心だし、考え方はしなやかだ。2023/01/31