講談社文庫<br> 文庫版 ルー=ガルー―忌避すべき狼

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講談社文庫
文庫版 ルー=ガルー―忌避すべき狼

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  • サイズ 文庫判/ページ数 914p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065132050
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

端末という鎖に繋がれた少女たちは自由を求め、連続殺人鬼と闘う。百鬼夜行シリーズに連なる近未来を生きる少女たちの冒険譚。近未来。牧野葉月は閉じた世界に生きていた。端末という鎖に繋がれ監視された内部に、不純物が入り込む余地はなく、安全なはずだった。そこに現れた一片の狂気は、少女たちを狙う殺人鬼だった。リアルコンタクトで初めて知った友達の存在。自由を求め、鎖を引きちぎった少女たちを待ち受ける驚愕の結末とは?

京極 夏彦[キョウゴク ナツヒコ]
著・文・その他

内容説明

人と人との物理的接触が極めて希薄な高度情報化社会。清潔で完璧なはずの日常で起きた連続殺人事件が十四歳の少女達を覚醒させる。世界のすべてだと思っていた端末が“鎖”だと気づいたとき、牧野葉月は初めて友達と繋がる。真実を求める少女達を殺人鬼が狙う。“忌避すべき狼”の正体とは?シリーズ第一弾。

著者等紹介

京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
1963年北海道生まれ。’94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。’96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞受賞。この二作を含む「百鬼夜行シリーズ」で人気を博す。’97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、’04年『後巷説百物語』で直木賞、’11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞を受賞。’16年遠野文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

83
文庫で再読です。近未来を題材にしたSFですが、シンプルに感じました。現在に近い時間が流れているからでしょうか。人と人とが触れ合うことが少ない高度情報化社会で起きた連続殺人事件。世界が「鎖」であることに気づいたとき、14歳の少女たちがはじめて友達として繋がるのが、世界の全てが「端末」で動かされていたからだと思います。それにしても約20年前にこのような物語が生み出されたことが凄いなと。2019/01/21

『よ♪』

67
"端末(モニタ)"を持たされ誰もが管理された近未来。そして管理されることに安心を感じる怠惰な世界。合成食品の開発によって断ち切られた食物連鎖。回避された食糧危機と動物を殺傷する必要が無くなった世界。そんな平和な筈の社会で発生する連続殺人が核。被害者の少女と事件に巻き込まれる同クラスの少女達。事件を調査する大人達。読み進むに連れ膨れ上がる疑問。事件の繋がり。被害者と容疑者の繋がり。連続性と非連続性。ミステリとしても面白く、サスペンスとしても楽しい。とてもエンタメ性に富んだ作品。何よりも舞台設定が好みだった。2019/02/08

優希

39
再読です。近未来を題材にしていますが、リアルでシンプルに感じました。物語に現実が追いついてしまったからでしょうか。人と人が接触することの少ない高度情報社会で起きた連続殺人事件。世界の全てだと思われていた「端末」が「鎖」であると気付いたとき、14歳の少女たちは初めて友達として繋がり、「端末」が世界の全てとして動かされてきたのだと知らしめられます。20年以上も前の作品とは思えませんね。2024/01/08

geshi

33
15年以上前に今の時代のさらに先を見据えてきた京極さんの先見の明よ。中盤まではひたすら回りくどく、モニタ越しの世界のように殺人事件が起こっても現実味を伴わないから、何の話をしようとしているのか分からない。しかし後半でリアルに触れていき、痛みを覚え、キャラクターたちが躍動し始める。クライマックスのデタラメとも言えるやり切った感は爽快だなぁ。言葉に付随する観念を一度引きはがし、最後に残る意味そのものを突き付けてくる過程は百鬼夜行シリーズの「憑き物落とし」そのもの。2018/12/10

ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう

30
こんな話やっけ?!?!なんか覚えてる内容とかなり違って新鮮に面白かった。京極夏彦のSFものとか貴重すぎる。2018/10/22

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