講談社選書メチエ<br> 機械カニバリズム―人間なきあとの人類学へ

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講談社選書メチエ
機械カニバリズム―人間なきあとの人類学へ

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  • サイズ 46判/ページ数 224p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065130254
  • NDC分類 007.3
  • Cコード C0310

出版社内容情報

私たちは機械を愛し、恐れている。だが問題の核心は「人間の変容」だった! AI将棋とSNSと人類学で縦横に展開する鮮烈な思考!「シンギュラリティ」「IoTで豊かな未来」「鉄腕アトム」「ターミネーター」……私たちは、機械を愛し、憎んでいる。では機械のほうから「私たち」を見たらどうなる? テクノロジーと深く結びつく人間は、あらたな存在に生まれ変わっているのかもしれない。
人類学者カストロは、アマゾンにおける食人=カニバリズムを、「他者の視点から自らを捉え、自己を他者としてつくりあげるための営為」として描き出した。「機械カニバリズム」は、テクノロジーによって私たちが変容ゆくことを捉える試みである。将棋ソフトによってプロ棋士と将棋が、SNSによってコミュニケーションと社会が、いままさに変容しているなか、「人間」観そのものが刷新されていくべきなのだ。気鋭の人類学者が、「現在のなかにある未来」を探る、痛快かつ真摯な思考!

川上量生氏コメント――
 わたしたちはAIが人間の能力を凌駕しつつある歴史的過程の中にいます。AIと人間とどちらが優れているのか、そういう問いが日常的に飛び交う世の中で過ごすのも、この時代に生を受けた運命としてはやむを得ないことでしょう。
  しかしながら実際にはこの問いは、そもそも正しくなかったことが明らかになってきました。いったい「優れている」とはなにか? AIとはなにか? そしてなによりも人間とはなにか? という、より大きな疑問が頭をもたげてきたからです。人間とはそもそも優れているのか、機械とは、そしてAIとはなにが違うというのか。そして真実が明るみになったときに、人類ははたして結果を受け入れることができるのでしょうか。
  いささか大袈裟ではありますが、人間社会がAIの時代を受け入れるための礎石にならん、という決意で始めた将棋電王戦を、本書はAI時代における社会的な役割から解き明かしてくれました。また、より大きな視点で、ニコニコ動画を含めたネット社会についても、人間と技術の関わりから、どう捉えるべきかを示してくれています。
  こういう議論はまだまだ始まったばかりで、21世紀の人類の最大の哲学的テーマであると思う次第です。

【本書の内容】
現在のなかの未来
ソフトという他者
探索から評価へ
知性と情動
強さとは何か
記号の離床
監視からモニタリングへ
生きている機械

第一章 現在のなかの未来
第二章 ソフトという他者
第三章 探索から評価へ
第四章 知性と情動
第五章 強さとは何か
第六章 記号の離床
第七章 監視からモニタリングへ
第八章 生きている機械


久保 明教[クボ アキノリ]
著・文・その他

内容説明

銃、蒸気機関、計算機革命、そして人工知能へ―機械は、希望なのか?敵なのか?単なる道具なのか?「他者の視点から自己を捉え、自己を変化させていく営為」=カニバリズムという視点から、AIと将棋、SNSと相互モニタリングなどに光を当て、テクノロジーvs.人間という対立を超えた、新たな人類学を構想する。「私たちはいかなる存在であり、いかなる存在でありうるか」を問う、気鋭の人類学者による痛快かつ真摯な思考!

目次

第1章 現在のなかの未来
第2章 ソフトという他者
第3章 探索から評価へ
第4章 知性と情動
第5章 強さとは何か
第6章 記号の離床
第7章 監視からモニタリングへ
第8章 生きている機械

著者等紹介

久保明教[クボアキノリ]
1978年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科単位取得退学。博士(人間科学)。現在、一橋大学大学院社会学研究科准教授。科学技術と社会の関係について社会/文化人類学の観点から研究を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

37
【人新世11】これはもしかしたらすごい本かもしれない。カニバリズムとは食人のこと。機械が人を食べるのだ。端的にはAIが人を食べる=影響を与えることによって、人間が変わる=人間でなくなる。近年の(存在論的転回後の)文化人類学が非近代社会で見出したカニバリズムとは、他者を食べることにより自己を他者としてつくりあげること。これをAIと人間の関係に適用する。人間の知能を超えたAIの出現により人間はどうなるのか。ニック・ボストロム【人新世8】は人類滅亡と答え、それを防ぐためにAIコントロールの研究に着手せよと↓2021/01/14

Tenouji

15
不確実性が全くない世界で、「私」は存在可能なのだろうか…『人となりては童のことを捨てたり』。AI以降、人は人のことを捨てることになるのか…梅田氏『ウェブ進化論』の将棋の革新の話しは、感動して読んだ記憶がある。その後のAI将棋の展開について考察が、本書は秀逸。人間とAIの共進化を感じさせる、一方で、SNSにみる再帰的自己の不安定性は、私の固有性を溶解させていく。そう、これは、あの『ゴースト』の考察である。2020/03/01

無重力蜜柑

13
人が機械を使うのか、機械が人を使うのか。技術の哲学の分野ではこうした対立を伝統的に道具説と自律説の対立という(ちなみに筆者はp.15で社会的構成論を道具説の類似概念としているが、これは明確に誤り)が、それに対し筆者は人間と技術が結び付き新たなアクターへ「生成」されるという媒介説の立場をとる。機械の論理でも人間の論理でもなく、両者がハイブリッドされた機械―人間の論理。こうした思考自体はそこまで目新しくもないが、本書はその生成の様を文化人類学の細密な筆致で描き出すあたりに、空理空論を超えた面白さがある。2024/04/27

kenitirokikuti

10
最近流行りのヴィヴェイロス・デ・カストロの存在論的転回をヒトとAIでやってみようという内容。半分くらい将棋の電王戦を扱っていて分かりやすい。もう半分は朝井リョウ『何者』の読み解き。著者も将棋アマ初段ぐらいだそうです。2018/10/06

またの名

6
将棋オタクが将棋の話を延々と続けて本を間違えたかと焦った。棋界では一足先に、何百台も接続したコンピュータが人間と協働で闘うとかズルい等の捨て台詞もあり得た機械の猛攻が吹き荒れるも、互いを喰らい合うように機械と人間が合成した未来の側に賭けた書。成人男性とタイプライターが合体した哲学者機械ニーチェ(@キットラー)の登場から1世紀半を経て、SNSに付属した人間機械やAIと一体化した人間機械が地球上を覆う。ここ数ヶ月のAIはとくに将棋での圧倒なんて次元じゃ済まない域に達し、棋士達がかつて感じたような畏怖が不可避。2025/05/01

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