出版社内容情報
重罪を犯し、大金を手にした男たち。彼らは一時「成功」したが、時効直前に不穏な影が。昭和の時代と風俗を活写したサスペンス巨編!
内容説明
金融会社社長が政界へ流す裏金11億円を、社長運転手の根津謙治が周到な計画の末、強奪する。事件への関与を疑われた謙治だが、アリバイ工作が奏功、逮捕に至らず、実業家として成功を収める。時効直前、かつての謙治の暴挙が綻びとして不穏な影を落とす。昭和の時代と風俗を克明に描く「戦後ノワール」巨編!
著者等紹介
藤田宜永[フジタヨシナガ]
1950年福井県生まれ。’86年に『野望のラビリンス』でデビュー。’95年『鋼鉄の騎士』で第48回日本推理作家協会賞長編部門、第13回日本冒険小説協会大賞特別賞をダブル受賞。’96年『巴里からの遺言』で第14回日本冒険小説協会最優秀短編賞受賞。’99年『求愛』で第6回島清恋愛文学賞受賞。2001年に『愛の領分』で第125回直木賞を受賞。’17年には『大雪物語』で第51回吉川英治文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじさん
84
金融会社社長の運転手の根津は、戦時中に疎開していた仲間3人と共謀し、根津の周到な計画の末に社長が政界へ流す裏金11億円を強奪する。事件への関与が疑われた根津は、アリバイ工作が功を奏し、逮捕されることもなく実業家として成功を収める。だが、時効直前に信頼していた部下の裏切りや警察の執念の捜査により、暴挙の真相が明らかになり、すべてを失うことになる。執念深い追手をかわし続けた謙治たちが、危機的な状況に追い込まれていく終盤は読み応え十分。戦後ノワールの巨編と呼ぶにふさわしい作品。ただ長い作品で読むのには苦労した。2024/05/10
T. Mu
9
戦前から戦後にかけて、時代と共に描かれた作品でした。小説なので、えっ?そんなことが?という部分はありますが、ホントに面白かった❗️最後は切ないですね…💦4.52023/11/13
はまちゃん
2
藤田宜永氏の倒叙ミステリ。金貸しから身を立て財を成した男 原島勇平のお抱え運転手 根津謙治が戦時中の疎開先で知り合った男たちと組んで11億円を強奪するところから話は始まる。犯罪に手を染め、強奪に成功し、警察やヤクザからの追及から逃れ、事業に成功し、家庭を持ちながらも、常に過去の犯罪の影に怯えながら人生を送っていかざるを得ない。どんな魅力的な人間であっても、悪事に手を染めたら、その報いを受ける、悪因悪果であろう。しかし、700ページを超える大作ながら、サクサク読ませるリーダビリティはさすが藤田宜永氏だなぁ。2019/07/30
コウ
1
想定された内容だが、時代感と筆力で最後まで読ます小説でした。ただ、作者が書きたかったこと、言いたかったことは響いてこなかった。2021/01/11
ラブミーテンダー
0
ハードボイルドピカレスク。ちょっと冗長と感じる部分もあったけど、よかった。2024/01/12
-
- 洋書
- Missing