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出版社内容情報
大今 良時[オオイマ ヨシトキ]
著・文・その他
1 ~ 1件/全1件
- 評価
工藤さんちの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
109
不死ゆえの孤独。仲間が出来ればノッカーの襲撃で死別。フシが選んだのは仲間が殺されないように孤独となること。40年間、人里を離れノッカーと戦うだけの日々。ノッカーが人里に現れフシは再び人と交わる。一気に流れる月日。フシは死者の魂が視える王子と出会う。不死ゆえの孤独が手塚治虫さんの「火の鳥」を連想させる。かつての仲間の魂が近くにいるが、フシには彼等が視えず結果として孤独である。それは現代に生きる我々との相似でもあろう。様々な人の想いはあれど我々には視えない。故に我々は孤独感を感じる。果たしてどう展開するのか。2018/07/17
眠る山猫屋
58
七巻は時間の経過が早い。ビオランとの死別から四十年、フシが動き出す。ハヤセの孫がフシを保全する(と称する?)教団を率いて現れ、ノッカーが人間に牙を剥き始めたから。そこに現れた二人組がフシの背中を押す。あいつらかよ・・・泣かせる。巧いなぁ。ハヤセ六代目継承者カハクとボンシェン王子も目が離せない人物。二人とも危ういが、ボンシェンは純粋無垢過ぎる割に〝死者が見える〟というある意味重荷を背負った変わり者。彼を通じて、フシを見守る仲間たちが臆病になっていたフシを変えていくのかな。凄い。ボンの造形も凄いが。2018/06/15
ネギっ子gen
38
フシは青年の姿に。ピオランの死後、まず考えたことはただ一つ。<もう誰にも会いたくないだった。誰かが死ぬ姿を二度と見たくなかった>ので、<黒いのに対する反抗/ 蟹として生きることに/人間としてやめて良かったこともあった。それは色々と考えこまずに済むことだった>。2年間海に漂った後、黒いのは告げた。「ノッカーが来た」と。それからは一人で、死んでいった皆の体で闘う。40年――。<40年でやったことはこれだけのこと。正直、退屈だった…ノッカーは毎回同じような攻撃しかしてこないし、倒しては喰っているだけの日々>。⇒2021/10/08
トラシショウ。
32
何くれとなく良くしてくれた老婆・ピオランの死後、ノッカーと自分との戦いに巻き込む事を恐れ他人との接触を絶ったフシ。孤島での40年の孤独から連れ出すのは、かつて大切な人を奪ったハヤセの孫でありノッカーの力をその身に宿す幼女ヒサメ。社会から「不死の銀髪」として恐れられ、或いは敬われている事を知ったフシは、死して自身の力や助けとなってくれる「仲間たち」を求めようとするが、その前にウラニア国第一王子にして、この世ならざる者どもが「視える」男・ボンシェンが現れる。亡きハヤセの妄執に驚嘆の新展開(以下コメ欄に余談)。2018/07/05
いっちゃんず
29
「仲間」のサンデルとトナリとの再会。トナリの「生きててよかった」の言葉が重い。そして、ハヤセの子孫たちが組織する「守護団」。世代を重ねて次々と現れる子孫たちの背後にある、多くの生と死と、受け継がれている妄執と歴史。特殊なように見えて、人間の営みって多かれ少なかれこういうものなのだろうなぁと感じる。そして登場する、特殊な能力を持つ変な人物。続きが早く読みたい。2018/06/18