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出版社内容情報
平行線は交わり、三角形の内角の和は180度を超える! リーマンやポアンカレが創った曲がった空間の幾何学の分かりやすい入門書
内容説明
現代数学の中の大きな分野である幾何学。紀元前3世紀ごろの数学者、ユークリッドによる『原論』にまとめられたユークリッド幾何からさらに発展したさまざまな幾何の世界。20世紀には物理の世界で大きな役割を果たしアインシュタインが相対性理論を構築する基盤となったその深遠な数学の世界を解説します。
目次
はじめに
近道
非ユークリッド幾何からさまざまな幾何へ
曲面の位相
うらおもてのない曲面
曲がった空間を考える
曲面の曲がり方
知っておくと便利なこと
ガウス‐ボンネの定理
物理から学ぶこと
三角形に対するガウス‐ボンネの定理の証明
石鹸膜とシャボン玉
行列ってなに?
行列の作る曲がった空間
3次元空間の分類
著者等紹介
宮岡礼子[ミヤオカレイコ]
1951年東京生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程(数学専攻)修了。理学博士。東京工業大学助教授、上智大学教授、九州大学大学院数理学研究院教授、東北大学大学院理学研究科教授を経て、東北大学教養教育院総長特命教授。ボン大学(ドイツ)特別研究員、ウオリック大学(イギリス)客員研究員。日本数学会幾何学賞受賞。日本学術会議連携会員。科学技術振興機構領域アドバイザー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オザマチ
12
駆け足気味ですが、代数学、ベクトル解析と幾何学との関係を俯瞰できる本。2022/07/10
galoisbaobab
12
初学者のための幾何学の割に「ちゃんと」説明しようとしてるから逆にわかりにくい、、、。けど、前に戻ったり先回りしたりすると「一応説明している」or「これはそういうもんだ思って」ってことをちゃんと書いてあるのでなんとか理解。良い復習になったよ。でもポアンカレ予想までを230pで説明するのってやっぱ無理ぽん。「現代の科学を支える〜」って副題は誇大広告かな。確かにそうなんだけど、本に登場するのが石鹸膜とシャボン玉だしw2018/09/21
センケイ (線形)
10
高校数学を基礎にして小説のような面白さの中、ついには大学でさえ分からなかった事が分かる本があるというと嘘に見えるだろうか。ところがこの本はまさにそうなのだ。他の本が丁寧でないわけではないのだが、それでも直感的な理解がうまくできずにいた曲線と曲面の幾何。この本は、言葉での補いが一層丹念なのか、今まで見てきた概念と概念が結びつけてくれ、血肉にしてくれる。確かに終盤こそ行間が略されている感はあったが、それでもこれの序中盤のおかげで、内積の幾何を規定する役割や、測地的曲率についてやっとわかったことを強調したい。2019/07/20
ちくわん
4
勢いだけで最終ページまで。まえがきにあることと徐々にグレードアップしていく内容のギャップに驚きつつも。結局あらすじしか掴めなかったが、出てくる用語は『数学科』の解析、幾何や複素関数のそれぞれの授業で聴いたものの集合体であった。あっ、ちゃんと勉強していたら、もしかして理解できたのかな?関連図書の【4】、【5】はやはり鉄板なんですね。2017/07/30
Masami.T.
2
ベクトル解析を少しやった人向けの本。今まで数式でしかしらなかったことが、イメージとして得られた。ゴムひもの例えはよく見るけど、引くと最短線を見つけられるという意味だったのね。測地線が最短線になるかどうかの説明もわかりやすい。角度(数学の意味)を変えて見ると、赤道上にいる人からは赤道がまっすぐに見える。だから、球面においては最短線は測地線である大円となる。とばし読みで半分のみ。次回読む:裏表のある曲面、オイラーの考えたガウス曲率、立体射影とケーリー変換、フビニスタディ距離、ポアンカレ計量、曲率と位相、勾配流2022/04/12