水木しげる漫画大全集 〈００２〉 飛だせ！ピョン助他

水木しげる/京極夏彦

講談社（2017/02発売）

• サイズ コミック判／ページ数 540p／高さ 21cm
• 商品コード 9784063775693
• NDC分類 726.1
• Cコード C9979

出版社内容情報

ハイクオリティかつ超ボリュームで完全再現！　水木しげる漫画大全集　第３期　３５巻　責任監修：京極夏彦<「水木しげる漫画大全集」FINAL SEASON！>
「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」といった代表作はもちろん、幻の貸本や新聞掲載の1コマ漫画まで、あらゆる水木漫画をコンプリート。未収録原稿や、カラーイラストなども余すことなく収録した唯一無二の完全版をお届けします。京極夏彦責任監修『水木しげる漫画大全集』第3期全35巻刊行開始!!

化けウサギの役は、なんとバッグス・バニー！　「飛だせ！ ピョン助」他、封印されていた幻の初期作品群がついに解禁！　ワーナー・ブラザース協力のもと、伝説の水木版ルーニー・テューンズが史上初めて完全復刻されます!!　発見された未使用カラー原稿も収録！　★解説「まさに水木先生の世界でしかない」梅田英俊（画家・漫画家）

『水木しげる漫画大全集』００２（１９５８?１９５９）、第３期、第２回配本。
★収録作品
「飛だせ！ ピョン助」「ブル探偵長」「カラス氏とピョン助」「マメ博士の冒険」「お笑いチーム」「プラスチックボーイ」「HOUSE of MYSTERY　壁」「おおミステイク」
★資料編
★解説「まさに水木先生の世界でしかない」梅田英俊（画家・漫画家）
★初出一覧
★付録「茂鐵新報」３?４号（通巻７２号）
・ある日の一言「紙芝居のときの感覚がずっと続いちょーだ」
・梅田英俊さんに訊く　新宿時代の水木サン　その一
（ほか）

水木 しげる［ミズキ シゲル］
本名、武良茂。1922年（大正11年）生まれ。鳥取県西伯郡境町（現・境港市）で育つ。幼い頃から物語をつくる力に優れ、また天才的な画力を発揮。高等小学校在学中に個展を開き、新聞に絶賛される。しかし学業のほうは芳しくなく、一旦は上級学校への進学を断念するが画家になる夢は諦めず、仕事の傍ら塾や独習で画力を磨く。
やがて太平洋戦争の召集により、南方の激戦地に送られマラリヤと爆撃で左腕を失うが、九死に一生を得て帰還する。
戦後は様々な職業を経て、紙芝居作者、貸本漫画家となり、「別冊少年マガジン」に発表した『テレビくん』で講談社児童漫画賞（現・講談社漫画賞少年部門）を受賞。その後『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』とヒット作を続けて発表、日本を代表する国民的漫画家となる。
近年、夫人との暮らしぶりがＮＨＫの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」で描かれ、爆発的なブームを巻き起こした。
紫綬褒章、旭日小受章、文化功労者の栄を得て、世界各国の漫画賞も受賞し、漫画史に名を刻む存在となった。
2015年11月30日、逝去。享年93。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[厩戸皇子そっくりおじさん・寺]

水木しげるが貸本時代に、バックスバニーやトムとジェリー、ドルーピー等の海外のアニメキャラクターを無断拝借して描いた漫画集。本書を出版する為にわざわざワーナーブラザーズの許可を取ったそうである。大したたまげた。キャラクターのみならず、一部アニメのギャグも拝借している様に思われる。『河童の三平』にも使われているアイディアも散見され、資料的価値は大だがさほど面白いものではない。唯一面白かったのは脱力系の『お笑いチーム』。この絵柄も誰かの真似だろうが、猫をはじめ脇役のキャラクターが可愛くゆるゆるの笑いである。

2017/05/11

[ぐうぐう]

ギャグ漫画を中心とした貸本時代の作品を収録した全集『貸本漫画集２』。水木にはめずらしいドタバタギャグが多いのだが、驚かされるのは、アメコミのキャラクターが大胆に模倣されていることだ。「飛だせ！ ピョン助」にはバックス・バニーが、「ブル探偵長」にはトムとジェリーそのまんまのキャラクターが登場する。おおらかな時代を思わせるキャラの拝借だが、当然、著作権を無視した行為であり、ゆえに長年復刻されず、幻の作品と言われてきたようだ。今回、ワーナーの公認を得て、無事に全集に収録されることになったと言う。

2017/02/06

[剛腕伝説]

飛び出せピョン助、ブル探偵長など。キャラクターは完全に『バックスバニー』、『トムとジェリー』、『ヘッケルとジャッケル』等のアメリカ漫画のぱくり。いろんな事にチャレンジしていた様子が伺える。

2024/02/15

[軍縮地球市民shinshin]

水木が貸本初期に書いたギャグ漫画。アメコミや初期ディズニーのドタバタアニメの影響が強い。後半の「マメ博士の冒険」・「お笑いチーム」はほんとに素人同然の作画。これでも単行本化したのだから当時の貸本漫画業界はすごいなーと感じた。それでも後年の目玉の親父を彷彿させるキャラや鬼太郎や河童の三平に転用されたエピソードもあって面白い。まさに巨匠の原点となる作品群だ。

2017/02/10

[高須力弥]

『飛だせ! ピョン助』と『ブル探偵』を是非アニメ化して欲しい。

2017/02/06